【1140号】アバクロ・フットロッカーの業績回復も喜べない理由

※火曜日は簡易版に変更しました。
◎本日のニュース
1)見出し
Abercrombie, Foot Locker Return Some Luster to Apparel Sellers

 

2)ビジネスのヒント

アバクロンビーアンドフィッチ社とフットロッカー社のような専門店の業績が、
回復基調にあるようです。これまで、ファストファッションや
ネット通販に顧客を奪われてきましたが、ようやく底を打ったのでしょうか。
実はそうではありません。苦肉の策で何とか顧客をつなぎとめているに過ぎません。

【専門店の業績復活も喜べない理由】
1.不採算店の閉鎖・値下げ・販促強化の結果にすぎないから
2.アスレジャーブームが終焉しつつあるから
3.構造的な変化に変わりないから
4.ネット通販に力を入れるも、販管費が拡大し、収益性は低下するから

1について、アバクロの既存店売上高が、6年ぶりの急回復しているものの、
その要因はリストラと安売りでしかありません。言ってみれば、
ネット通販・ファストファッションと同じ土俵で勝負するようになったから、
業績は好転したに過ぎないのです。

2について、スニーカー小売大手のフットロッカーによるち、
アスレジャーブームは終焉に近いようです。既存店売上が、
2009年ぶりにマイナスに転換したからです。これまで大きな追い風であった
アスレジャーブームが終わるとなれば、今後は苦戦せざるを得ません。

3について、消費全体のネットシフトとファストファッション・
ネット通販との競争激化という構造的な変化に、変化がありません。
値下げしたアバクロのようにこの変化に対策は講じてはいるものの、
実店舗小売が不利な状況に変化はありません。

4について、成長性の高いネット通販に力を入れるも、
値下げ・販促強化など販管費の膨張は避けられません。
収益性は低下せざるを得ないのです。実際、アバクロの粗利益率は、
35.4％から32％に低下しています。

特にアバクロの場合は、これまで高くても売れたわけで、
高い収益性を誇っていたのでしょう。それが、ファストファッションと
ネット通販の拡大・競争激化により、状況は一変したのです。

【注目点】
ネット通販市場の拡大は、既存企業にとってはマイナスでしかない。

既存企業とは、アバクロのように実店舗で成功してきた企業。
高くても売れたオイシイ状況が、ネット通販の登場で一変。
値下げを余儀なくされ、収益性は大きく低下。さらに、
ネットという同じ環境で戦おうとも、ネット通販専業企業ほど組織が
最適化されていないため、逆に販管費が拡大し、収益性はさらに低下しかねません。
既存企業にとっては、踏んだり蹴ったりなのです。

では、実店舗小売企業はどうすればいいのか。ネット通販に力を入れてでも、
儲かる仕組みに変わるしかないでしょう。さらなる無駄の排除、
コストダウンは必須のようです。

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《今回のヒントのまとめ》
専門店は業績が回復しているが、今後も苦戦は続くだろう。
というのも、消費のネットシフト・
競争激化という構造変化に変わりがないからである。
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7）おすすめ商品・サービス
◎最近見つけた気になるもの
スマホついに買い換えました。
シャープのSH-M04が新たな機種ですが、
この機種にはエモパーというAIのようなアプリが搭載されています。
言わば、グーグルホームのスマホ版のようなもの。
毎朝、イヤホンをスマホに挿すと、話けかてくれるのですよ！
近未来が、もう近未来ではないようです。
SH-M04は、ゲームなどの重いアプリには不向きなようですが、SNSやウェブ閲覧・メールぐらいなら充分なスマホです。
おサイフケータイにも対応していることも、いいですね。
普通のスマホ使いでは、おすすめです。
ただし、もう少ししたら新商品が登場しそうですが。

編集後記
現在、夜の2時過ぎ。
これから2時間掛けて自宅に戻ります。
お腹空いた。

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