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【391号】米大手銀行、融資見直しプログラムで本業回帰?

100927ビジネスビル

◎本日のニュース

1)見出し

‘Second Look’: First Aid for Borrowers

2)要約
大手銀行により、融資見直しプログラムが実施されている。
このプログラムとは、一度退けた融資案件を再度検討する
ことである。

その際に、これまでの融資基準を若干緩め、
借りて候補の業績や銀行との取引記録、業界全体の信用状況などを
精査して、改めて融資可能かどうかを決めるという。

このプログラムに対して、政府からの要望に答える形で、
新規貸出を増やす意図よりも、世間のイメージアップを
狙っているにすぎないとの批判もある。

3)キーとなる英文
Many of the biggest U.S. banks, criticized since the
financial crisis erupted for making fewer loans and
toughening borrowing standards, have launched what
industry officials call “second look” programs to
review rejected loan applications.

4)キーとなる英文の和訳
全米の大手銀行は、金融危機の発生以来、融資の絞り込みや
融資基準の厳格化に対して批判を受けてきたので、
所謂「融資見直し」プログラムを開始し、
一度退けた融資申し込みを再度検討している。

5)気になる単語・表現
erupt   自動詞     噴火する、勃発する
application     名詞      申し込みをすること、申請
*criticizedは、manyの関係節。「批判されてきた」ことと
「融資見直しプログラムを始めた」ことは因果関係にあるので、
上記のように訳した。
*andは、makingとtougheningを並列している。
*for以下は、criticizedの副詞句。

6)今日のヒント
記事にもあるように、アメリカの大手銀行が融資見直し
プログラムを進めている理由として、世間でのイメージアップが強いだろう。
記事へのコメント見ても、このプログラムに対して賞賛する意見は少なく、
これまでの銀行の姿勢を批判する意見がほとんどを占めている。
金融危機以後の融資引き締めも融資が減った理由であるが、
危機前から融資は減っていた(または、好景気にもかかわらず融資が停滞していた)
のではないだろうか。収益の割に調査が面倒な融資よりも
当たれば大きく儲かる投資に躍起になっていたからである。

この融資見直しプログラムにより、無担保融資を受けられた
レストランや住宅ローンを受けられた一般消費者の事例が
紹介されている。ただし、その内容を見る限り、
これまでの融資前調査が杜撰だったのではないかと思う。
例えば、レストランがかつて融資を受けられなかった理由は、
単に借入金が多かったからであり、住宅ローンは信用状況の
算出方法に間違いがあったからであった。
これでは、世間から批判を受けても仕方がない。

一方、日本に目を向けてみると、先日日本振興銀行が破綻し、
今日の日経には武富士の会社更生法申請が一面に掲載されていた。
武富士はどちらかというと対消費者への無担保融資がメインであるが、
資金繰りに困った中小零細企業オーナーも頼りにしていたことは否めない。
この二つの破綻事例を見る限り、中小企業金融が盛んであるとは
到底思われない。一方で、都市銀行・地銀に目を向けても、
優良融資先には貸出金利を下げて融資獲得に血眼になっているものの、
創業したばかりの企業や景気の影響で業績が下降気味の企業への
融資には、二の足を踏んでいる状況である。

このように、資金を調達したい企業がある一方で、
資金量の割に融資先が不足している金融機関があり、
ここにひずみが発生している。これは、ビジネスチャンスであるが、
企業調査の難しさや規制の存在により、なかなかこのチャンスは
生かされていない。このチャンスを活せる一番の候補は、
信用金庫や信用組合、そして地銀のように思われるが、
その硬直したビジネスモデルや規制により、なかなか重い腰を
上げようとしていない。ならば、新規参入が待たれるところだ。

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《今回のヒントのまとめ》
▼アメリカ大手銀行による融資見直しプログラムは、
これまで避けていた面倒な融資調査を行って、
一度退けた融資案件を再度検討するものであるが、
世間受けを狙ったものとして批判を浴びている。

▼一方、日本では、日本振興銀行の破綻や武富士の
会社更生法申請など、中小企業金融に明るいニュースはほとんどない。

▼ただし、中小企業が資金調達に困る一方で、
銀行は資金量に対して融資先が不足している
というひずみが生じている。

▼このひずみはビジネスチャンスであるが、
本来このチャンスを活かせる信用金庫・信用組合や
地銀はなかなか重い腰を上げない。ならば、新規参入が待たれる。
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編集後記
こんにちは、高尾です。
今日は予約配信で、執筆したのは前日。
9/28は、大阪で食品輸出関連の説明会に行き、
その後とあるコンサルタントの方と会う予定。
このコンサルタントの方は、私のブログを見て連絡を
下さいました。
飲食店関連のプロモーションを支援されているようで、
何か面白いお話を聞けることを期待しています。
10月のベトナム主張も決まったので、
これからいろいろ動きます。
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

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