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【490号】グーグルのザガット・サーベイ買収、進化するネットからリアルへの送客。

ザガット・サーベイ(from flickr)

 

◎本日のニュース

1)見出し
Zagat Deal Extends Google’s Influence

【出典】
goo.gl/htJb4

2)要約
グーグル社は、レストランレビュー書籍を出版する
ザガット・サーベイを買収した。
その目的は、ザガット・サーベイを活用して、
ローカル企業の広告出稿を獲得するためである。

グーグルは、主要収益源の広告収入を増やすためには、
ローカル企業の広告を強化する必要があった。
また、消費者は、商品・店舗の評価を気にして、
その評価により購入するかどうか決める。
そのためグーグルは、広告価値を引き上げるには
数多くの評価を集める必要があった。
そこで、レストランやホテル・その他ローカル施設の評価に
強みを持つザガット・サーベイの買収に至った。

さらに最近、グーグルページは、
イェルプやトリップアドバイザーなどの
他社サイトの評価の掲載を取りやめたため、
独自で評価情報を集める必要があった。
ザガット・サーベイ買収により、
出版物の店舗情報・評価情報をグーグルマップ・

プレイスに連携させ、
評価情報を充実させることができる。ザガット・サーベイには、
レビュー紙媒体の出版に長けた約120人の従業員、
約35万人のボランティア調査員、
何千店舗ものローカル企業との深い関係、
出版物の強い販売力など、グーグルが持ち合わせていない資産がある。
これらの資産が、ローカル広告強化を目指すグーグルには
大きな魅力となった。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Google Inc. bought restaurant-review company Zagat Survey LLC,
thrusting the Internet giant into the new roles of content creator
and print publisher as it seeks to attract more advertising dollars
from local businesses.

4)キーとなる英文の和訳
グーグル社は、レストラン評価企業であるザガット・サーベイ社を買収した。
この結果、その巨大インターネット会社は、
新たにコンテンツ作成・紙媒体出版に進出することになる。
それは、ローカル企業からより多くの広告マネーを
引き出させることを目指しているからである。

5)気になる単語・表現
thrust A into B 他動詞     AをBに突っ込む、Aをぐいと押す
LLC     名詞      有限責任会社

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
グーグルがローカル広告の強化を目指すのは、
その検索に特徴があるからである。
グーグルで行われる検索の20%以上は、
ローカル企業に関連するサイトを探すもの。
グーグルの主要収益源が、検索結果に掲載される広告から収入。
したがって、収益を増大させるためには、
クリックされる確率の高い広告を多く獲得する必要がある。
ローカル企業に関する情報を探す人が多いということは、
ローカル企業に関する広告がクリック確率の高い広告になる。
その結果、ローカル企業の広告をより多く集めることが、
収益を増大させる一番の近道になる。

今回の買収が興味深いことは、

ネット企業のグーグルが、リアル(ネットではなく実物があるという意味)
媒体を出版するザガット・サーベイを買収した

ことである。最近でこそ携帯電話製造のモトローラモビリティを買収したが、
これまで行われた買収のほとんどは、ネット企業。
一方、ザガット・サーベイは、書籍を販売するリアル企業である。
さらに、ザガット・サーベイが書籍に掲載する情報は、
ネット関連情報ではなく、リアル店舗のレストランやホテル・その他施設の評価情報。
リアル情報を収集し、それをリアル媒体として出版する
ザガット・サーベイを、ネット企業であるグーグルが買収したということは、
ネットビジネスがリアルビジネスと連携することで
、新たな収益獲得を目指している、と捉えることができる。

考えてみれば、ネット広告は当初、
ネット通販サイトへの集客や大企業によるブランド認知度アップなどを目指し、
ネットからネットへの送客が行われていた。
しかし、ネットが普及すると、
ネットで検索してリアル店舗での購入を検討する人が増え、
ネットからリアル店舗への送客で収益が上がるようになった。
レストランや美容院などのクーポンサイトは、その好例である。
グーグルが目指しているのは、このネットからリアル店舗への送客である。

このネットからリアルへの送客がさらに進むと、
ネット広告がリアル店舗に誘導し、特定のリアル商品の購入を導く
ことが実現するかもしれない。例えば、ネットでビールの商品情報を掲載し、
その情報を見た消費者をリアル小売店に誘導し、
そのビールを購入してもらうことで、
情報を掲載したネットが手数料収入を獲得できるようになるかもしれない。
これが可能になれば、メーカーによるネット利用がさらに進むと予想する。
つまり、これまで通販でしかネットで明確な収益をあげられなかったメーカーが、
ネット上で商品情報・販売店情報を充実させ、
消費者を販売店へ誘導し、自社商品を買ってもらうというネット利用を行うかもしれない。

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《今回のヒントのまとめ》

1)ネット企業のグーグルによるリアル企業のザガット・サーベイ買収から、
ネット企業がリアル企業と連携して収益を産み出そうとするトレンドを見て取れる。

2)ネット広告は、当初、別のサイトへの送客がメインであった。
ネットからネットへの送客である。

3)ネットが普及するにつれて、
ネットでリアル店舗の情報を検索する人が増えると、
ネットからリアル店舗への送客が行われるようになった。
レストラン・美容院などのクーポンサイトがこれにあたり、
ザガット・サーベイ買収によりグーグルが目指すのもこれである。

4)このトレンドがさらに進むと、
ネットからリアル店舗に誘導し、
特定のリアル商品の購入を導くようになるかもしれない。
リアル店舗で特定商品を買った証明が必要だが、
これが実現すると、ネット上で商品情報と販売店情報を充実させて、
リアル店舗での商品購入を促す使い方が、小売店に卸すメーカーで増えるかもしれない。

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ワイン専門家が高いワインを買わなくなった理由とは?
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最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
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編集後記
こんばんは、高尾です。
先日、久しぶりに阪急・西宮北口駅に行きました。
阪急百貨店・イズミヤが入ったショッピングセンターがあるなど、
とても便利な場所です。
また、オシャレな人も多いように思えました。
魅力的な街は、魅力的な人を引きつけるのでしょうか。
約一年ぶりに友人とも再会し、とても楽しい時間を過ごせました。

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