【840号】アメリカで人気拡大中の欧風フードホール、その特徴とは？

Mathieu

◎本日のニュース

1)見出し
Great New American Food Halls

【出典】

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2)要約

ヨーロッパの商業地区でよく見られるフードホールが、アメリカでも増えてきた。フードホールとは、ケーキやチーズ、専門性の高い飲食など、職人仕込みの料理を提供する施設である。

各フードホールは、特徴を持つ。ロスアンゼルスのスター・マーケットは、総菜店が多いのが特徴で、サンドイッチ・焼き立てパンからローストチキンまで販売する。アトランタのクロッグ・ストリート・マーケットは、品質の高級さで差別化する。ニューヨークのガンセボート・マーケットは、アーチ状の天窓と本物のブドウの木が特徴的な中央のダイニングエリアが人気を呼んでいる。サンフランシスコのザ・ホールは、国際色豊かな料理を提供。デンバーのザ・ソースは肉の解体などライブ感で来店客を魅了する。

◎キーセンンスとその翻訳

3）キーとなる英文

The emporiums, which traditionally occupied whole floors of department stores, have long offered European shoppers artisanal provisions such as pastries and cheeses, as well as prepared foods to eat on-site.

4）キーとなる英文の和訳

従来は百貨店の全フロアを埋めていた専門店が、ヨーロッパの買い物客に職人的な食事を提供してきた。

それは、パイなどのケーキやチーズ、その場で食べられる総菜などである。

5）気になる単語・表現

emporium	名詞	（大）商店；専門店；デパート；商業中心地
artisanal	形容詞	職人的な
provision	名詞	食糧；供給
pastry	名詞	（パイ・タルトなどの）ケーキ
on-site	副詞	現場で

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

今回の記事では、アメリカで増えてきた欧風のフードホールが取り上げられています。従来アメリカでは、フードホールを真似てフードコートが各地のショッピングモールなどに作られました。それが進化して、フードホールが生まれたと読み取ることができます。

そもそも、ヨーロッパのフードホールとは何なのか？記事によると、

チェーン店ではなく地元の職人が作る食材・総菜・飲食サービスを提供する施設

という特徴を読み取れます。チェーン店主体のフードコートとの違いがわかりますね。

記事で紹介されている欧風フードホールをまとめると、次のようになります。

【スター・マーケット（ロスアンゼルス）】

4000平方フィート（約6平方メートル）≒コンビニ約3.5軒分
2014年11月オープン
伝統的にユダヤ系が多いフェアファクス地区に立地
総菜が多いのが特徴

【クロッグ・ストリート・マーケット（アトランタ）】

天井20フィート（約6メートル）の巨大な倉庫跡に立地
2014年8月オープン
13の独立型高級飲食店・高級食材販売店が集積

【ガンセボート・マーケット（ニューヨーク）】

8000平方フィート（約2平方メートル）の旧倉庫に立地≒コンビニ約7.5軒分
2014年10月オープン
イーストビレッジの人気店2店を含む21のテナントが出店
一番人気は、アーチ型の天窓が付き、本物のブドウの木々で飾られた中央のダイニングエリア

【ザ・ホール（サンフランシスコ）】

2014年9月オープン
2年間だけの期間限定ホール
地元の人気小規模店6店が出店
モロッコ料理からインドカレーまで国際色豊かな料理が特徴
一体感を高めるために、週ごとに生の音楽演奏を実施
ITからの逃避のためにあえてwifi提供せず

【ザ・ソース（デンバー）】

1年前にオープン
芸術地区に立地
2500平方フィート（約2平方メートル）の広さでレンガ造りのビルに立地≒コンビニ約2軒分
地元の花卉・生鮮品の市場からフルサービスのレストラン・クラフトビアパブまで15テナントが出店
牛肉の解体が見られる精肉店など現場感・ライブ感で差別化

欧風フードホールの特徴でも話した通り、上記のアメリカフードホールの共通点は、

非大量生産・非チェーン
地元の独立系小売店・飲食店が出店

している店です。日本の商店街に近いものがありますね。もしかしたら、日本の商店街復活のヒントが欧風フードホールに隠されているのかもしれません。

その他、各フードホールの差別化要素をまとめると、以下のようになります。

高級感
人気店誘致
国際色豊か
ライブ感・現場感
天窓・本物の木などデザイン重視

この要素を見て、何か感じませんか。そうです、価格で差別化、つまり安さをウリにしていないのです。割安さをウリにするチェーン店主体のフードコートとの違いは鮮明です。アメリカで欧風フードホールが人気を呼んでいる背景には、価格よりも品質・デザインを重視するアメリカ人が増えたことがあるのかもしれませんね。

最後に、欧風フードホールの課題を。WSJのコメント欄を見ると、価格の高さを批判する超えがありました。価格で差別化していないので仕方ないかもしれませんが、やはり価格の高さが来店ハードルになっているようです。価格面の高さは、集客・来店頻度にも影響します。だからこそ、音楽ライブなどのイベントを実施しているのかもしれません。

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《今回のヒントのまとめ》