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【985号】ドローン配送・ロッカー引取りでもない、究極の宅配サービスとは?

Delivery

EEHuet

 

◎本日のニュース

1)見出し

Delivery Service Brings Groceries to Your Fridge When You’re Away

 

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2)要約

スウェーデンにおいて、スーパーと運送会社による宅配サービスの実験が行われている。そのサービスとは、生鮮品を含む食品を留守宅の冷蔵庫内まで運ぶというものである。

 

これを可能にするのは、新しい鍵のアプリ。ドアに内側に簡単にセンサーを設置することで、入室者と時間をスマホアプリから制限できるというものである。

 

このような実験が行われる背景には、急増するネット通販の配送における顧客の不在問題がある。留守宅でも配送できるようになれば、効率的な配送を実施でき、運賃コストを削減できる

 

3)キーとなる英文

In Sweden, groceries and fresh food can be delivered in your absence and directly to where they belong: your kitchen and fridge.

 

4)キーとなる英文の和訳

スウェーデンでは、加工食品と生鮮食品を、留守宅でも運び、しかもその保管場所、つまり台所と冷蔵庫まで運んでくれる。

 

5)気になる単語・表現

fridge 名詞 (主に家庭用の)冷蔵庫
elusive 形容詞 捕えどころのない;(巧みに)逃げる
juggle 他動詞 ~を上手にやりくりする;~を曲芸する
conflict 自動詞 (計画などが)かち合う;矛盾する
hand out 他動詞句 ~を配る
sticker price 名詞 定価
edge 名詞 優位性

 

(今回ピックアップ英単語)

【elusiveの使い方】

  1. 理解し難い、捕えどころのない、思い出せない、達成困難な

an elusive plan (concept)

「わかりにくい計画(考え)」

  1. (巧みに)逃げる、捕えにくい

an elusive criminal

「神出鬼没の殺人」

(英英)

difficult to find, define, or achieve

(メモ)

exclusive(排他的な;独占的な;高級な;専一の)は別の単語。

 

6)ビジネスのヒント

宅配における不在宅問題は、海外でも問題のようです。これを何とか解決するために、スウェーデンで画期的な宅配サービスの実験が行われています。

 

まずは、不在宅問題について。ネット通販市場が拡大する一方で、宅配業者を悩ましているのが、届け先顧客の不在宅問題。つまり、商品を持って行ったはいいものの、不在のために、仕方なく持ち帰り再配達を余儀なくされるという問題です。これが、運送会社にとって大きなコスト負担になっているようです。

 

【不在宅問題による運送会社のコスト負担】

2014年 7億7100万ポンド(約11億3000万ドル)

※英国

 

一方で、ネット通販市場は拡大しているので、不在宅問題によって発生するコストは今後拡大するものと予想されています。

 

【ネット通販市場の拡大】

2016年 小売全体の8.6%・20億ドル以上に増加(昨対比23%増)

※全世界

 

この不在宅問題を解決するために、スウェーデンで実験が行われてるのが、不在宅への配送を可能にする宅配サービスです。

 

【不在宅への配送を可能にする宅配サービス概要】

  1. スーパーチェーンのICA社と運送会社のポスト・ノルド社による実験
  2. 生鮮品を含む食品を留守宅に配達し、キッチン・冷蔵庫への保管まで行うサービス
  3. スウェーデンのベンチャー企業・グルー社が製造する、新しいロックアプリ・センサーにより、留守宅への入室が可能に
  4. 利用者は、スマホを用いて、入室者と時間を遠隔から決定・変更できる
  5. 宅配者はスマホで解錠

 

このサービスの肝になるのは、3のスマホアプリとキーセンサー。価格は249ポンド(約277ドル)で、ドアの内側から既存の鍵を小さな電子モーターに置き換えます。アクセスパスの配布し、特定の時間と入室できる人をスマホアプリから限定します。これにより、安全性の不安は、入室者・時間を許可できるアプリ利用者に制限できます。とは言っても、個人的には、アクセスパスを実際にもらう人がわからない以上、不安は完全には払拭できないと思いますが…

 

このサービスが生まれた背景には、運送会社が直面する不在宅問題以外にも、既存サービス・新サービスに対するユーザーの不満があります。

 

【ネット通販ユーザーの宅配に対する不満】

  1. 自宅で商品到着まで待機するのが面倒
  2. 店舗・ロッカー引取りでは、そこまで足を運ぶのが面倒
  3. 引取時に支払トラブルが起きやすい

 

3は少しわかりにくいですが、アメリカでの1000人以上のネット通販ユーザーを対象にした調査では、店舗受取を選んだ人の半数が、支払上のトラブルに遭遇したと答えています。恐らく、ネット上の割引・ポイントなどが利用できないというトラブルでしょうか。こんなリスクがあるならば、2の足を運ぶ手間まで掛けて引き取るという人が増えないでしょう。

 

ドローン配送も、不在宅問題を解決してくれる方法ですが、まだ解決すべき課題が多く、今すぐに導入することは現実的に無理。しかも、導入できても、小規模でのサービス提供に限られるので、不在宅問題で発生するコストの削減は期待できません。

 

また特殊な解決策として、大手自動車メーカーのボルボ・カーズ社では、宅配商品をネット接続した自動車のトランクに配送できるテストを実施しています。しかし、このサービスでは、今のところ利用できるのはボルボオーナーに限られ、不在宅問題の本格解決とは程遠いと言わざるを得ません。

 

一方で、留守宅配送を可能にする新サービスのメリットをまとめると、次のようになります。

 

【留守宅配送の新サービスのメリット】

  1. 不在により発生する配送スケジュールのやりくり不要
  2. 引取りや再配達によって発生する保管コストが不要
  3. 自宅にドアを持つほぼすべての人に提供可能

 

2について、引取りや再配達により、誰かが商品を保管する必要が生まれます。今月始めに、オーストラリア・ポストでは、保管料として最大9豪ドル(約6.47ドル)の徴収を開始したという事例もあります。結局、引取りで不在宅問題は解決できても、別にコストが発生してしまうということになりかねないのです。この点、留守宅配送できれば、保管は不要になります。

 

ただし、留守宅に入り、冷蔵庫などの保管庫まで運ぶことで、新たなコストが発生します。今回の実験では、追加料金不要にしていますが、将来的にはこのコストを転嫁するようです。

 

今回紹介した新宅配サービスは、まだまだセキュリティー上の不安が残るサービスなので、本格採用はまだ先のように思われます。ただし、もし留守宅配送が一般化すれば、家の間取りが変わる可能性があるでしょう。具体的には、

 

  1. 配送専用の倉庫が自宅内に作られる
  2. 台所が入口近くに移動する
  3. 台所以外の部屋にすべてロックが掛かるようになる

 

など。間取りが新しくなれば、必要とされる家具やその他備品も生まれます。さらに、留守宅配送を可能にするリフォーム需要も生まれることでしょう。通販のヘビーユーザー向けの住宅・賃貸物件が生まれるかもしれません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 留守宅配送サービスの実験が行われる背景には、宅配の不在宅問題がある。これにより発生するコストは無視できず、ネット通販市場の拡大により、そのコストの増加が予想される。
  2. さらに、宅配や引取りに対するユーザーの不満もある。自宅待機を余儀なくされることや、引取りに出向くことは大きな手間である。さらに、引取時での支払トラブルも不満とされる。
  3. 留守宅配送を可能にするのは、ベンチャー企業が製造するスマホアプリと鍵センサーである。ドア内部に簡単に取り付けられ、アプリから入室者・入室時間を自由に設定できる。アクセスパスを持つ訪問者は、スマホで解錠できる。
  4. 不在宅問題の解決方法として、ドローン配送や自動車のトランクへの配送が考案されている。しかし、ドローン配送はまだ課題が多く現実性は乏しく、トランク配送はボルボオーナーに限られる。
  5. もし留守宅配送が一般化すれば、室内の配送専用倉庫や台所の入口への移動や台所以外の鍵など、住宅の間取りが変わる可能性がある。それにより、リフォーム需要が生まれるかもしれない。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

ホッピーに似た商品として、ハイッピーがあるようです。

飲んだことはありませんが、ハイッピーの方がより経済的だとか。

どちらもビール系の飲料ですが、ハイッピーにはレモン風味あるようです。

個人的には、ホッピー飲むならビール(いや新ジャンル)なので、買うことはないとは思いますが、居酒屋であったら一度ハイッピーも飲んでみたいと思います。

ちなみに、ハイッピーは比較的味が薄く、評価が分かれるようです。

ハイサワーハイッピー(公式サイト)

楽天市場でも売っているのですが、ケース売りだから躊躇します。

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、7年経ちました。

この7年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

マクドナルドのロコモコバーガー食べました。

ジューシーでボリューがあり、これは売れますね。

ただし、私にとっては、ロコモコバーガーと飲み物だけで十分。

ポテトは余分でした。

最近のマックは面白い。注目です。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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