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【841号】JCペニーが紙のカタログを復活させる理由とは?

JC penny catalog

 

◎本日のニュース

1)見出し
J.C. Penney Resurrects Its Catalog

【出典】

 

 

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2)要約

業績不振の続くJCペニーが、紙のカタログ送付を復活させるという。景気後退時のコスト削減策として廃止して以来、約5年ぶりの発送である。ネット通販売上の多くが、カタログを見た顧客によるものということが判明したからである。

 

市場全体で、紙のカタログ送付は2007年のピーク1960万部以来明らかな減少トレンドであった。しかし、2013年に増加に転じ1190万部を記録。その背景には、紙のカタログをライフスタイルマガジンとして発行し、ウェブでは難しいブランド・商品のストーリーをより完全に伝えたいという企業の目的がある。実際、ネット通販専業の企業まで、ブランド確立を目指してカタログを発行する。

 

JCペニーは、新しいカタログを家具などの家庭用商品に特化。さらに、以前家庭用商品を購入していた元顧客に限定して送付する。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

A half-decade after killing off its hefty catalog to focus on the Web, J.C. Penney Co. is bringing it back, armed with data showing that many of its online sales came from shoppers inspired by what they saw in print.

 

4)キーとなる英文の和訳

大きくて思いカタログを廃止してウェブに集中してから約5年経過し、JCペニー社は、カタログを復活させる。

復活に至ったのは、ネット通販売上の多くが、印刷されたカタログを見て触発された買い物客によるとデータが示すからである。

 

5)気になる単語・表現

kill off 他動詞句 (計画など)を完全につぶす;~を大量に殺す
hefty 形容詞 大きくて重い
bring back 他動詞句 (旧制度・流行など)を復活させる;~を返す
arm A with B 他動詞句 AにBを用意させる
inspire 他動詞 (行為など)を引き起こす;~を鼓舞する

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

百貨店のJCペニーが、景気後退時のコスト削減で止めた紙のカタログ作成・配布を復活させるという内容です。面白いのは、復活させる現CEOがそもそも廃止した張本人ということ。読みが完全に外れたようです。

 

【JCペニーが紙のカタログを廃止した理由】

  1. コスト削減のため
  2. カタログ通販はネット通販に統合すると予想したため

 

そもそもJCペニーは紙のカタログに力を入れていました。1963年にカタログ通販を始め、毎年1000ページを越える大型カタログ(通称「ビッグブックス」)を発行していました。上記理由によりこの大型カタログをやめたのですが、廃止した理由としてもう一つ挙げることができます。それは、

 

  • 顧客に嫌われていたから

 

です。これはJCペニーだけではなく、紙カタログ全般に言えることでしょう。特別見たいわけではないカタログが郵便受けを占領していて、さらに持ち運び捨てる手間まで掛かる。特に、JCペニーの1000ページを越えるカタログは、受け取った顧客にとって悲劇そのものです。

 

紙のカタログを止める動きは、JCペニーだけのものではなく、業界全体でのこと。2007年に1960万部のピークを付けて以来、明確なダウントレンドを描きます。それが回復に転じたのが、2013年。JCペニーは、紙カタログ全体が復権しつつあることから、カタログを復活させることを決定したのかもしれません。

 

紙のカタログがV字回復しつつある要因として、次を挙げることができます。

 

【紙カタログがV字回復しつつある要因】

  1. ウェブよりもブランド確立に適しているから
  2. 優良顧客を選別できるから

 

1について、紙のカタログの性質が変化しています。従来は、商品を整然と並べた年間カタログであったのに対し、今はライフスタイルマガジンとしての性格が強くなっています。ブランドや商品の背後にあるストーリーを伝えるためです。例えば、商品だけではなく、デザイナーや職人のプロフィールまでも掲載する企業もあるほどです。紙の場合ひと目で見るだけで、ブランド持つ世界観を伝えることができるため、クリックが必要なウェブよりもブランド確立には適しています。

 

2について、カタログを見て買い物する顧客は、その他顧客よりも客単価が高いというデータがあるようです。カタログを見て購入した顧客は、優良顧客であることが判明します。

 

1・2の前提として、カタログを見てネット通販で買い物をする消費者の存在があります。しかも、それは少数ではなく大部分だから、カタログがネット通販での購入を誘発しているとも言えるでしょう。JCペニーの新しいカタログが家庭用商品に特化するのは、家庭用商品がJCペニーの売上上位カテゴリーであるとともに、ネット通販売上の40%を占めるから。紙のカタログはネット通販と相性がとてもいいのです。

 

日本でも、店舗などで配布される紙のチラシ・カタログが増えたように感じます。また、カタログ通販からネット通販主体に転じた通販企業も、依然カタログ送付を継続しています。紙のカタログには、ウェブにはない購入意欲を高める力があるのかもしれません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. JCペニーが2007年以降紙のカタログを廃止した理由は、コスト削減・ネット通販への統合・顧客の反発である。
  2. ネット通販への統合については、見事に予想が外れた。実際、ネット通販売上の多くはカタログを見た顧客からのもの。ネット通販の売上増を目指して、紙のカタログを復活させる。
  3. 市場全体として、紙のカタログは復権しつつある。その要因としては、ブランド確立ツールとしての利用や優良顧客の選別という紙カタログの持つ強みがある。実際、従来のような商品の年間カタログではなく、ライフスタイルマガジンのような体裁でブランド・商品が持つストーリーの伝達に力を入れる。
  4. JCペニーの新カタログは、120ページの小型冊子で、掲載商品は家庭用商品に特化し、離反した元顧客だけに送付される。家庭用商品は売上上位カテゴリーであり、ネット売上の40%を占めるからである。
  5. 紙のカタログに力を入れるのは、店舗型小売業のみならず、ネット専業小売業にまで広がっている。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

気になっていた阪急三番街のカツ丼店で食べてきました。

定番の並ロースカツ丼シングルを定食で食べたのですが、味は美味しかったですよ。

特別美味しいわけではなかったですが、あのメニューの多さは魅力的ですね。

女性スタッフも多く、女性一人でも入れるのもいいですね。

一人でランチ食べるなら、オススメのお店です。(テーブル席もありますが)

祭太鼓 阪急三番街店

tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27019435/

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

最近、パソコンに向かう事が多いのか、目痛いことが多いです。

良くない傾向です。

 

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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