【861号】倒産した機内カタログ販売のスカイモールの売上拡大策とは？

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◎本日のニュース

1)見出し
New SkyMall Owner May Relaunch Catalog

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2)要約

一風変わった製品販売で有名な、機内カタログ販売のスカイモール。倒産したこのサービスを、C&Aマーケティングが買い取った。商標とネット販売の権利を使い、今後機内販売も復活させるという。

C&Aマーケティングは、過去にも倒産企業の一部を買い取った実績がある。2008年の倒産したポラロイドからは、使い捨てデジタルカメラの販売権を獲得し、2012年にはリッツカメラストアーズとそのネット画像ビジネスを買収した。

スカイモールが倒産したのは、機内規制の緩和とITの進化による競争激化が原因。機内でのネット利用を許可する航空会社の増加で、スマホ・タブレットでのネット通販に売上を奪われるだけではなく、搭乗客の関心まで得られなくなった。

◎キーセンンスとその翻訳

3）キーとなる英文

SkyMall, best known for quirky products such as Darth Vader toasters and paper towel holders with USB ports that it sold through its catalogs, won a bankruptcy judge’s approval Friday to proceed with a sale of its trademark and online business to New Jersey-based C&A Marketing Inc. for $1.9 million.

4）キーとなる英文の和訳

スカイモールは、ダース・ベイダーのトースターやUSBポート付きのペーパータオルホルダーのような一風変わった製品で有名ですが、破産の裁判所許可を金曜日獲得した。

続けて、商標とオンライン事業をニュージャージー州本社のC&Aマーケティング社に190万ドルで売却する。

5）気になる単語・表現

quirky	形容詞	一風変わった
proceed with	自動詞句	～を続ける

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

スカイモールとは、機内座席の前ポケットにある通販カタログ。今年1月申請した破産法適応が、裁判所で許可されたようです。これを受けて、商標とオンライン事業をC&Aマーケティング社に売却します。

まず、スカイモールが破産した要因から。キーセンテンスでも取り上げたように、競争激化が最大の要因です。これまでならば、通信の利用が禁止された機内では、本や雑誌を読むか、機内で放送される映像や音楽を楽しむか、睡眠を取るかしか、することはありませんでした。これが、機内でのネット利用が許可されたことにより激変。さらに、スマホ・タブレットの普及が、機内でのネット利用を促進しました。これにより、機内で買物をする手段に、ネット通販が加わったのです。あらゆるモノを購入できるネット通販に対し、カタログ通販のスカイモールは、特徴的な商品が中心。品揃えの幅・深さの違いにより、スカイモールはネット通販に負けたのです。

さらに興味深いのは、スマホ・タブレットが機内で利用できるようになったことにより、暇つぶしでスカイモールのカタログを読む人が激減することになります。つまり、搭乗客の関心が、スカイモールのカタログからネットに繋げられるスマホ・タブレットにシフトしたのです。この暇つぶし利用が減ったことで、スカイモールは見込み客が激減し、売上減に歯止めがつかなくなったのです。

そんな負け組のスカイモールを買ったのが、C&Aマーケティング社。今後、機内でのカタログ設置も復活させるといいます。ただし、スカイモールの倒産要因をカタログにあるとして、売れない商品の販売を止めるとともに、機内カタログにこだわらず業容の拡大を目指すようです。オーナー兼CEOの次の言葉に、スカイモール復活への秘策が込められています。

「旅行のエコシステムは、飛行機内の座席だけではない。」

スカイモールの顧客を定義し直し、搭乗客から旅行者全体に変えようとしているのです。LCCの普及により、飛行機利用者は増加していますが、本当に増えているのは旅行者そのもの。スカイモールを飛行機内から旅行者と関われる場所すべてに広げれば、スマホ・タブレットに奪われた売上を戻すばかりか、さらに伸ばせると考えたのです。

さらに、スカイモールには、比較的高いブランド認知度があります。飛行機を利用したことのある人なら、座席の前ポケットにあるスカイモールのカタログを、一度手に取ってみたことがあるはず。これだけ高いブランド認知度を持ったスカイモールの商標を使って、増加する旅行者に向けて販売すれば、ニーズに合う販売商品さえ品揃えすれば、売れる確率は高いと言えるでしょう。

【C&Aマーケティング社が倒産したスカイモールの一部事業を買収する理由】

ブランド認知度が高いから
旅行市場は拡大しているから

興味深いのは、ターゲットを搭乗客から旅行者にシフトした点。ジリ貧の事業でも、ターゲット層をシフトすることによって、売上拡大が可能であることを教えてくれます。（ただし、成功するかどうかはこれからですが）

Skymall

C&A Marketing

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《今回のヒントのまとめ》

C&Aマーケティング社が、倒産した機内カタログ販売のスカイモールを買収するのは、そのブランド認知度の高さと旅行市場の拡大で収益拡大が可能と見たから。
スカイモールは、機内の座席前ポケットに長年設置されていたため、飛行機に乗った人ならほぼ知っている。さらに、ちょっと変わった特徴的な製品ばかりカタログに掲載していたため、一度見た人の受ける印象は強く、その分認知度は高い。
LCCの普及等で、飛行機利用者のみならず旅行者自体が増加している。
ターゲットを飛行機利用者から旅行者全体にシフトすることにより、高い認知度という強みを活かせば、収益拡大は可能と考える。

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