【1122号】マクドナルドがハッピーミールを再度ヘルシー化する理由とは？

McDonald's Happy Meal

Majiscup

※火曜日は簡易版に変更しました。

◎本日のニュース

1)見出し

McDonald’s Is Trying to Make the Happy Meal Healthier—Again

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2)ビジネスのヒント

米マクドナルドが、子供向けセットのハッピーミールをさらにヘルシーにするようです。初めての試みではなく、「また」「さらに」ヘルシーにするのです。

まずはなぜハッピーミールをヘルシーにするのか、という点から。それは、

親がヘルシーな食事を子供に与えたいから

に他なりません。親としては当然でしょう。ならば、マクドナルドに行かなくてもいいのでは？とも思いますが、それはここでは置いておきます。その歴史をまとめると、次のようになります。

【マクドナルドのハッピーミールヘルシー化の歴史】

2011年　フライドポテトの量を半分以下に削減、りんごスライスを追加

2012年　チョコレートミルクを無脂肪に変更、クレメンタインをオプションで追加

2013年　ソーダ飲料をオプションから削除、水・牛乳・ジュースに限定

2014年　ゴーグルト・ヨーグルトをオプションで追加

2016年　ナゲットで人口保存料の使用を停止

2017年　ミニッツメイドジュースをオネストキッズのアップルドリンクに変更

今回は最後の2017年。よく見ると、毎年のようにヘルシーオプションを追加、ヘルシーでないオプションの廃止・ヘルシー化をしていることがわかります。それほど、顧客・消費者団体からの要望が強いということでしょう。

この歴史を見て、マクドナルドは凄まじい努力をしていると感じました。なぜファストフードにもかかわらず、そこまでヘルシー化を進めるのか？それは、

子供は長期的収益に寄与してくれる重要な顧客だから

でしょう。つまり、子供が小さい頃からマクドナルドに慣れることで、大きくなっても頻繁に利用してくれるということが期待できるのです。だから、子供集客のために、凄まじい努力をしているのです。

逆に、ファストフード＝ヘルシーではないというイメージのために、2011年までハッピーミールの売上が減少してきたということも大きな理由です。ヘルシー化するしか、売上をV字回復させる方法はなかったのです。

消費者団体は、マクドナルドに更なるヘルシー化を要請しています。

【消費者団体が求めるハッピーミールの更なるヘルシー化】

水を飲料オプションの標準にする
オプションで野菜の追加、複数の果物の定期的提供

これをそのまま採用するかどうかはわかりませんが、子供への影響力の大きな玩具付きハッピーミールへの期待は相当大きいとも言えるでしょうか。

今回は、ミニッツメイドからアネストキッズへのブランド変更ですが、いずれもコカ・コーラ社の持つブランド。だから、コカ・コーラ社の売上への影響はほとんど皆無です。ただし、売上変動がほとんどないのも、コカ・コーラ社がヘルシーなブランドを持っていたからこそ。逆に言えば、大手飲料メーカーとも言えども、ヘルシーブランドは必要なのです。種類が増えるということは、少量多品種生産になり、生産効率は低下します。製造企業としては、できれば避けたいもの。しかし、消費者ニーズに対応するためには、コストアップしても、バリエーションを拡大するしかありません。ヘルシー化の波は、大手企業の収益性を低下させているとも言えるのです。

【注目点】