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【1137号】レストランチェーンが多用する期間限定メニューの功罪とは?

サブウェイのフットロング

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

Hold the Rye: Promos Leave Restaurant Supply Chains Stretched

 

 

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2)要約

限定メニューを多用するレストランチェーンが増えている。しかしながら、それゆえに特別な食材を準備できず、客離れを引き起こす事態も生じている。

 

外食チェーンが限定メニューに依存するのは、ミールキットや総菜との競争激化による売上低迷をテコ入れするためである。実際に、限定による「枯渇感」を与えることで、売上は伸長している。

 

最近では、ITの活用により、需要予測の精度を高め、サプライチェーンをより最適化する努力もなされている。

 

3)キーとなる英文

Restaurant chains are adding more limited-time items to their menus as they look for ways to temporarily juice sliding sales.

 

4)キーとなる英文の和訳

レストランチェーンは、通常メニューに追加する期間限定商品を増やしている。

その目的は、低迷する売上を一時的にテコ入れしたいためである。

 

5)気になる単語・表現

rye 名詞 ライ麦
dwindle 自動詞 だんだん小さくなる
reuben sandwich 名詞 ルーベンサンドイッチ
hanker for 自動詞句 ~にあこがれる、~をほしいと思う
strain 他動詞 ~を痛める
abundance 名詞 大量、豊富

 

(特に覚えておきたい単語)

【dwindle】

become gradually less or smaller

(コメント)

「だんだん」というニュアンスあり。

6)ビジネスのヒント

まず記事で紹介されているのが、サンドイッチ大手のサブウェイ。サブウェイで昨年3から8週間の期間限定で販売したルーベン・サンドイッチが、散々な結果に終わったようです。クーポンとその他広告で販促を掛けたのはいいものの、想定以上の注文があり、食材が間に合わず。しかも、限定メニューを頼まずに、通常メニューにその食材をカスタマイズで加える常連客が激増。結果的に、売上は少し伸びたものの、一部顧客が離反する結果になったようです。

 

このように限定メニューを販売するレストランチェーンが、増えているようです。その理由は以下の通り。

 

【米レストランチェーンで期間限定メニューが増えている理由】

  1. 枯渇感を与えることで売上増に寄与してくれるから
  2. 逆に言えば、限定メニューに頼るほど売上が低迷しているから

 

1について、「限定」という言葉には人間は弱いようです。枯渇感をどうしても抱いてしまい、「今買わなくちゃ」という気分になり、気がつけば、お店で注文しているというイメージでしょうか。実際、外食市場全体で、パンプキンスパイスメニューの増加により、7-9月の客数が、6四半期ぶりに1%増加しました。

 

2について、枯渇感を与える限定メニューに依存せざる得ないほど、売上が低迷しているもの事実です。要因は、ミールキットや総菜との競争激化。アメリカでも、外食が内食・中食にシフトしているようです。

 

このように、限定メニューには、客数を伸ばし、その結果として売上を伸ばす効果がある反面、特別な食材を使用することにより、サプライチェーンには負荷が掛かるというデメリットがあります。詳しくは、販売増を目指し、告知・販促を行ったはいいものの、需要が急増する一方で、食材が足りずに、結局は目当てのメニューが食べられない顧客が不満を抱き、離反するという事態です。

 

【限定メニューのデメリット】

需要の急増に対応できず、客離れが起きること。

 

このデメリットを克服するために、レストランチェーンは次のような対策を講じています。

 

【限定メニューのデメリット克服策】

  1. ソフトウェアを活用して、需要予測の精度を高める。
  2. 業界全体で、データ分析・宣伝ツールを開発
  3. サプライチェーンと販促が情報共有

 

1は、需要予測の精度を高めれば、特別な食材の準備も出来、欠品を避けることができます。

 

2は、1の需要予測の業界全体で向上させるために、データ分析・宣伝ツールを開発するというものです。業界全体で開発を行うことでコスト負担を緩和させるとともに、データや分析結果を共有することで、より精度を高められるというメリットがあります。

 

3は、例えば、クーポンの配布場所や時期の情報を共有できれば、どの店舗でオーダーが増えるかなどが事前に予測できます。

 

このような対策の甲斐もあって、サブウェイのイタリアン・ヒーロー・サンドイッチキャンペーンでは、初めて供給不足や廃棄をほぼゼロにすることができました。

 

限定メニューによる失敗事例も、記事で紹介されています。

 

【限定メニューの失敗事例】

  1. サブウェイのルーベン・サンドイッチキャンペーン:販促により想定上の集客。常連客による特別食材のオプションメニューの注文が急増。結局、品不足に陥り、一部顧客が離反。
  2. トロピカル・スムージー・カフェのアボロラーダスムージー:開発の最終段階で、供給不足になることがわかる。結局は発売を見合わせ、別フレーバーでキャンペーン実施。

 

【注目点】

  1. 「限定」販促手法は、モノが売れない時代を象徴。
  2. サプライチェーンは、店舗ビジネスの収益を左右する。
  3. データ分析は、需要予測が必要なすべてのビジネスに要求される。

 

1について、外食だけではなく、モノが売れない時代、「限定」という手法はよく使われます。逆に、あまり使わない業界では、限定商品など開発したら面白いのではないでしょうか。

 

2について、限定メニューのデメリットは、サプライチェーンが混乱することでした。逆に言えば、サプライチェーンが臨機応変であれば、収益性は向上するということです。サプライチェーンは、店舗ビジネスの収益に左右するのです。

 

3について、需要予測が不要なビジネスはないでしょう。よって、データ分析はすべてのビジネスに必須と言えます。

 

マクドナルドや吉野家など、日本でも期間限定メニューは増えています。アメリカ同様に、サプライチェーンに混乱が起こっているかもしれません。

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《今回のヒントのまとめ》

  1. レストランチェーンが期間限定メニューが増えているのは、客数・売上増に寄与するからである。逆に言えば、ミールキットや総菜との競争激化により売上が低迷しているからとも言える。
  2. 一方で、限定メニューには、サプライチェーンを混乱させかねないというデメリットもある。さらに、食べたいメニューが欠品していれば、客離れを引き起こしかねない。
  3. このデメリットへの対策として、ソフトウェアにより需要予測の精度向上、業界全体でのデータ分析・宣伝ツールの開発、サプライチェーンと販促の情報共有などが行われている。
  4. 「限定」という販売手法は、モノが売れない時代の重要な販売方法である。
  5. サプライチェーンは、店舗ビジネスの収益を左右する。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

泉佐野市のふるさと納税は、本当に挑戦的です。

今度は麦とホップ2ケースを、1万円コースに追加。

まだ自宅のビール在庫はあるものの、ついついポチッとしてしまいそうです。

 

 

編集後記

先日、サイトが突如閉鎖されていました。

これには驚きました。

調べてみると、サイトの契約更新を忘れていたからでした。

契約切れから1ヶ月近く経っていたので、データは最悪廃棄されていることを覚悟していましたが、問い合わせたところ、まだあるとのこと。

即、銀行振込をして、一件落着。

ほんとヒヤヒヤものです。

 

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