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【695号】新学期商戦の重要性とその戦い方

新学期セール特別商品

by courtesy of Rachel Doyle

 

◎本日のニュース

1)見出し
 Whole Foods’ Battle for the Organic Shopper


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2)要約

教師は、ネットサービスを使って、新学期に必要なモノのリストを作成でき、そのリストをネット上で父兄と共有できる。このサービスに、リスト掲載を狙って企業が参画している。

 

その理由は、必要品リストに掲載されれば、父兄が購入する確率が高まるからである。さらに、日常の利用を通じて、ブランドロイヤリティを高めることも期待できる。

 

リスト掲載に力を入れる企業は、ネットサービスへの協賛や無料サンプル提供等を行う。また、教育イベントに参加し、自社製品を使う学習アイデアや授業計画を提案する。一方、教師への販促よりも、直接父兄への働き掛ける企業もあり、クーポン進呈やネット状のキャンペーン・限定商品で販促を行う。

 

新学期セールは、年末セールに次ぐ一年で二番目に大きなセールである。それだけ企業は販売に力を入れる。

 

 

◎キーセンテンスとその翻訳

3)キーとなる英文

The key back-to-school shopping season is in full swing, and it’s offering a lesson in how deep into the trenches consumer-products companies will go to win market share and cement affinities for their brands.

 

4)キーとなる英文の和訳

企業にとって重要な新学期セール時期は、現在真最中である。

商戦からは、消費財企業がどれだけユーザーとの関係を深堀りしているかがわかる。

その目的は、市場シェア獲得とブランドロイヤリティの増強である。

 

5)気になる単語・表現

key 形容詞 重要な;主要な
in full swing 形容詞句 真最中で、たけなわで
trench 名詞
cement 他動詞 ~を固める
affinity 名詞 親近感

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

消費財メーカーにとって、新学期商戦は無視することができません。その理由は、次の通り。

【新学期セールが重要な理由】

[1]    年末セールに次ぐ一年で二番目に大きな売れる時期だから(セール時期の売上拡大)

[2]    家庭での利用につながるから(セール後の売上拡大)

1について、今年は約2670億ドルの支出が予想されています。それだけ大きなセール時期は、家庭用製品を作る企業にとって無視できません。しかも、ペン類などの学用品は、この時期に年間売上の約40%も生まれるとされています。明らかに稼ぎ時なのです。

2について、新学期セールで売れると、子供は日常的にその製品を利用することになります。その結果、そのブランドへの親近感が生まれ、ロイヤリティに変わるのです。そして、家庭で使う製品を選択する際も、そのブランドが選ばれるようになり、新学期セール後の売上拡大につながります。

では、企業はどのようにして、新学期商戦を戦っているのか。そのやり方は2つに分かれます。

【消費財メーカーによる新学期商戦の戦い方】

[1]    学校・教師へ働きかける→リスト作成サイトへの協賛、学校へのサンプル贈呈、教育イベントへの参加

[2]    父兄へ働きかける→ネット上での販促、限定商品の販売、店頭での販促強化

1について、教師が作る新学期必要品リストへの掲載を目指すことになります。というのは、父兄は、推奨商品としてリストに掲載された商品を購入する傾向が高いからです。そのために、ティーチャーズリストドットコム(TeachersList.com)などのリスト作成サイトへの協賛・広告出稿や、学校へのサンプル進呈、教育イベントへの参加を行います。ティーチャーズリストドットコムでは、リスト掲載候補商品として30万アイテムが紹介され、教師はこのサービスを使ってリスト作成ができるだけでなく、ウェブ上でリストを父兄と共有することができるようです。企業は、サイトで広告を打ち、リスト入りを目指します。教育イベントでは、自社製品を使った学習アイデアや授業プランが提案され、自社製品の採用を促します。

2について、実際に購入する父兄へのマーケティングです。具体的には、サイト上で割引クーポンを発行したり、新学期セール限定商品を販売したり、店頭でのディスプレイ・品揃えの強化などを行います。

記事では、次のような具体例が紹介されています。

【消費財メーカーによる新学期商戦販促の具体例】

[学校・教師への販促]キンバリークラーク社(Kimberly-Clark Corps. )は、クリネックスをリストに掲載すれば、抽選で2500ドルを学校に当たるというキャンペーンを実施。

[父兄への販促]プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Co.)は、ティーチャーズリストドットコムへの協賛を取りやめ、父兄への販促に切り替え。クーポン配布やネット上でのキャンペーン実施・限定商品の販売を行う。

[父兄への販促]クロロックス社(Clorox Co.)は、昨年までは学校・教師へ布巾(ふきん)のサンプルを無料配布。今年は、サイト登録者に1ドル引きクーポンを配布。父兄が登録すれば、必要に応じて、学校に布巾を贈呈。

[学校・教師への販促]クレヨラ(Crayola)は、教育イベントへ参加。

[父兄への販促]ニューウェルラバーメイド社(Newell Rubbermaid Inc.)は、売場でディスプレイや品揃えの強化を行う。

通常、消費財メーカーは、実際の購入者であるユーザーへの販促に力を入れるもの。しかし、ユーザーが購入する際に何かしらの影響を受けるならば、影響力を持つモノに働きかけた方が、より大きな販促効果を期待できます。アメリカの新学期セールでは、この影響力を持つモノが、教師の作るリストになります。影響力を持つモノを見つけることは、大変重要なマーケティング活動と言えるでしょう。

TeacherList.com

Kleenex

Clorox

Crayola

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《今回のヒントのまとめ》

1)  アメリカの新学期商戦は、年間二番目に大きなセールであり、また家庭での利用につながる可能性があるので、消費財メーカーにとってとても重要である。

2)  その戦い方は、学校・教師への販促と父兄への販促である。

3)  前者は、購入品決定に影響力を持つリストへの掲載を目指すものである。このために、リスト作成サイトへの協賛や、学校への無料サンプル贈呈、教育イベントへの参加を行う。

4)  後者は、通常の消費財同様に、購入決定者である父兄をターゲットにしたものである。クーポン配布などネット上の販促や、限定商品の発売、店頭での販促強化などを行う。

5)  消費財でも、その購入決定に影響を及ぼすモノがあれば、その影響力を持つモノへの販促により、売上拡大が期待できる。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

最近読んだ統計に関する書籍がこちら。

単なる学術書ではなく、実際にビジネスにどう活用するかについて詳しく書かれてあったので、とても勉強になりました。

統計初心者にぴったりかと思います。

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

編集後記

今さらながらですが、メルマガ専用サイトを新たに作りました。

wsj.ryotarotakao.com

個別ページがわかりにくいなど、jugemは少し見づらいと思い、思い切って独自サイトでの運用に切り替えることになりました。

余裕ができれば、メルマガ以外のコンテンツも拡充しようと思います。

一部有料コンテンツの組入も、考えています。

 

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

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