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【721号】値下げ競争から抜け出すための新たな価格設定とは?

マンションの価格表示

◎本日のニュース

1)見出し 
Retailers Try Out New Ways to Set Prices

 

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2)要約

小売店の表示価格と実勢価格の乖離が大きくなる中、新たな価格設定手法を試す小売店が表れている。その方法とは、価格を設定する前に消費者に買ってもいい価格を聞くというものである。

 

小売店は、価値あるものに見せようと、高めに価格設定をする傾向がある。しかしその結果、度重なる値下げを余儀なくさせられる。消費者が買ってもいいと考える価格に設定できれば、不要なセールを回避でき、店・消費者双方の負担は減ることになる。

 

◎キーセンテンスとその翻訳

3)キーとなる英文

Now that list prices have grown so detached from what shoppers actually pay, some retailers are experimenting with new ways of determining what their goods should cost.

 

4)キーとなる英文の和訳

今では、価格表と実際に買物客が支払う金額が大きく離れているので、小売店の中には、新たな価格設定に挑戦する企業がある。

 

5)気になる単語・表現

now that

接続詞句

いまや~だから、~である以上

detached

形容詞

分離した;一歩距離をおいた;超然とした

experiment with

自動詞句

~の実験をする、~を試みる

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

新たな価格設定が必要なのは、従来の手法では度重なる値引きを余儀なくされ、収益が縮小するからだけではありません。店舗には売れないイライラ感、消費者には混乱という負担が掛かることによって、店員のモチベーションが下がり、顧客離れを引き起こす恐れがあるからです。

 

そこで、記事の中で紹介される従来の価格設定手法と新たな方法を比較したいと思います。

 

【価格設定手法の比較】

[従来の手法]コストを積み上げ、利益を加える→最初は高めに設定

[新たな手法]顧客が支払ってもいいと思う金額に価格を設定

 

従来の手法では、利益額を自由に設定できる関係上、企業により様々な価格設定を行えます。一般に、小売店は、価値の高い物に見せようと価格を高く設定する傾向があります。よって、最初の値付けは高めになります。

 

一方、新たな手法では、支払ってもいい金額を顧客に尋ねます。その金額に消費者は価値を見出すので、その金額を価格に設定します。

 

この結果起こることは、次の通り。

 

【価格設定手法による結果】

【従来の手法】度重なる値下げを余儀なくされる

【新たな手法】値下げ頻度を最小化できる

 

従来の手法では、顧客が感じる価値とは無関係に高めに設定した以上、何度も値下げしないと売れない可能性は高まります。そのため、店には売れないイライラ感、顧客には価格への不信感が生まれます。その結果、店の雰囲気が悪くなり、顧客離れを引き起こすかもしれません。さらに、何度も値下げを行うと、顧客が値下げを期待するようになり、値下げ前の売上が激減する恐れがあります。つまり、収益にはマイナスに働くのです。

 

一方、新たな手法では、顧客の価値に基づいた価格設定のため、値引きしなくても売れる確率は高まります。たとえ売れ残ったとしても、そう頻繁に値下げする必要はありません。よって、店・顧客双方に、従来の手法のような負担は掛からなくなります。

 

消費者は、小売店が独自で付けた価格よりも高く金額を支払ってもいいと考える時があるため、新たな手法では客単価が引き上がります。実際、新たな手法を採用することにより、売上が約7%上昇した小売店もあるほど。利益率も高まるので、収益に大きく貢献することになります。

 

アメリカで販売される新製品のうち、約3分の2が初年度で消えるとのこと。その要因は、価格設定を間違ったからとされています。消費者にとっての価値に基づかない、従来のコスト積み上げ方法で価格を決めた結果にほかなりません。

 

【新たな価格設定方法の特徴】

[1]    消費者の価値に基づいて価格を設定

[2]    値下げを最小限に抑えることができる

 

ただし、顧客に尋ねても正しい金額を答えてくれるとは限りません。また、アンケート調査を実施するにも、コストがかかります。そこで提案したいのが、

 

比較検討する競合商品は何か

 

を考えるということです。競合商品は、同じカテゴリーの商品であるとは限りません。例えば、コンビニ弁当は、競合するコンビニの弁当だけでなく、ファストフードのメニューとも競合しているのです。その競合する商品の価格を参考にして価格を設定し、その差額を説明できれば、消費者に受け入れやすくなり、無駄な値下げを回避できるのではないでしょうか。

 

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《今回のヒントのまとめ》

1) 従来は、消費者の感じる価値とは無関係に、コストを積み上げて価格設定を行っていた。最初は高めに価格設定をする傾向が強いため、度重なる値下げを余儀なくされた。

2) 値下げ頻度が高まると、店舗・消費者に負担が掛かるだけでなく、収益にもマイナスとなる。

3) そこで、設定前に顧客に支払ってもいい金額を聞き、その金額を価格にするという手法が開発された。この手法では、消費者の価値に基づき価格設定されているため、値下げ頻度を最小限にすることができる。

4) 客単価の向上にもつながり、収益にとってプラスに働く。

5) 顧客に聞くことが難しい場合は、顧客が比較するであろう競合商品を考え、その価格を参考に価格を設定すればいいのではないか。その差額に納得してもらえれば、値下げしなくても売れるだろう。

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7)おすすめ商品・サービス 

◎最近見つけたいいもの

またまたカルディの商品ですが、こちらのカットトマト缶は格別。

濃厚で、美味しいトマト系パスタが簡単にできます。

写真をお見せできないのが残念なほど。

まるで専門店のようなパスタソースが出来上がります。

ラ・プレッツィオーザ ダイストマト缶

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

ボジョレーヌーボーを先週末にいだきました。

3000円ほどの昨年と同じブランドのワインを飲んだのですが、昨年の方が美味しかったですね。

酸味がキツく感じました。

みなさんはどうでしたか?

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします。

 

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