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【1143号】書店大手のバーンズ&ノーブルが書籍販売への回帰を目指す理由とは?

 Barnes & Noble Bookstore

◎本日のニュース

1)見出し

Barnes & Noble Wants to Clear ‘Tchotchke’ Clutter, Sell More Books

 

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2)要約

書籍販売大手のバーンズ&ノーブルは、ギフト用品とゲームの売場を縮小し、書籍の販売に回帰する方針に転換した。書籍販売を、今後のメインビジネスにする。

 

この背景には、店頭でもっと書籍を手にとってみたいという顧客の要望がある。さらに、過去10四半期で売上が思うように伸びなかった事実も、方針転換を余儀なくさせる。

 

また、今後の店舗開発では、従来の売り場面積の約半分の小型店を中心に据える。

 

3)キーとなる英文

Barnes & Noble is on a mission to declutter its stores of gifts and games and make room for what it sees as its next big moneymaker—books.

 

4)キーとなる英文の和訳

バーンズ&ノーブルは、ギフト用品やゲームの売場を減らし、今後の大きな収益源と考える書籍の売場を増やすことを目指す。

 

5)気になる単語・表現

declutter 他動詞 ~を取り除く

 

(特に覚えておきたい単語)

【clutter】

  • fill a place with too many things, so that it is untidy
  • a lot of things in an untidy state, especially things that are not necessary or are not being used; a state of confusion

(コメント)

「散らかり」「~を取り散らかす」という意味。

記事で使用されたdeclutterは、その反対語。

 

6)ビジネスのヒント

記事タイトルにあまり見慣れない”Tchotchke”という単語が出てきていますが、電子辞書には掲載されていませんでした。こういう時は、その単語を抜きに推測します。すると、次に”clutter”がある。だから、”clear clutter”は、「散らかりを取り除く」という意味になります。要は、売場を無造作に広げていたギフト用品やゲームを、売場から減らすということです。一方でバーンズ&ノーブルが増やそうとしているのが、書籍売場。元々書店だけに、本業に回帰しようとしているのです。

 

【書籍販売への回帰を目指す理由】

  1. 顧客がより豊かな書籍の品揃えを求めているから
  2. 書籍以外のギフト用品やゲームなどの売上が増えるわないから
  3. 書籍は価格競争に陥りにくいから

 

1について、リアル書店にあってネット書店に無いものは、店頭で立ち読みできるということ。それにより、思いもよらなかった本との出会いが生まれます。消費者は、この出会いをリアル書店に求めているのです。逆に言えば、それを怠っていたからこそ、バーンズ&ノーブルの業績は振るわなかったのでしょう。

 

 

2について、ギフト用品やゲームは、バーンズ&ノーブルの強敵・アマゾンが得意とする分野。品揃えでは、ネット専業のアマゾンには敵いません。アマゾンとの価格競争の激化により、ギフト用品やゲームなど非書籍販売が振るわなかったのです。

 

3について、一方で書籍は中身で選ばれる事が多いので、価格競争に陥りにくいとも言えます。もちろん、指名買いの場合では、販売コストの低いネット通販の方が安いでしょう。しかし、店頭で気に入った本に出会えれば、すぐに欲しいと思うため、価格競争をある程度回避できるのです。

 

バーンズ&ノーブルの従来の方針は、ギフト用品やゲームなど非書籍の売場を増やすことで、来店機会を増やすこと。しかし、それが逆にネット通販との同質化につながり、価格競争を余儀なくされたのです。

 

バーンズ&ノーブルは、書籍回帰の他に、小型店の拡大も方針としています。なぜ、小型店なのか?恐らく、従来の大型店よりも小型店の方が買い物がしやすく、消費者ニーズに合致するからでしょう。買い物のしやすさは、どこで買い物をするかの大きな決定要因になるのです。

【バーンズ&ノーブルの業績】

  1. 10四半期連続売上不振
  2. 直近四半期は最終損失3010万ドル、昨年同期比で悪化

 

1について、2010年から非書籍販売にシフトしたにも関わらず、ここ2~3年は売上不振に直面しています。ギフト用品やゲームでネット通販との価格競争が激しくなっているからでしょう。売上不振ということは、顧客から支持が得られていないということです。

 

2について、さらに最終損失も赤字が拡大しています。これでは、事業として成立していないとも言えるでしょう。現状のままでは、赤字の垂れ流しが続き、破綻する恐れもあります。

 

ちなみに、直近四半期の既存店売上は、6.3%のマイナス。これは、書籍以外の売場縮小と昨年売れたハリーポッターシリーズの売上減が大きく影響しているようです。しかし、その影響がなかったとしても、マイナスの可能性は高く、顧客を失っていることと思われます。

 

このように、業績から見えてくることは、バーンズ&ノーブルが崖っぷちに追いやられているということ。だからこそ、本業回帰でV字回復を目指しているのでしょう。

 

【注目点】

  1. 実店舗は体験を提供することで、ネット通販と差別化・棲み分けできる。
  2. 買い物しやすさは、ネット・リアルとも求められる。

 

1は、バーンズ&ノーブルの例では、書籍の品揃えを増やして、立ち読みできる本の種類を増やすことです。立ち読みはネット通販にはできないことなので、ネットとの差別化が可能になります。

 

2について、一方でリアル・ネットとも求められるのは、買い物のしやすさ。だから、バーンズ&ノーブルは小型店の出店に力を入れているのです。

 

バーンズ&ノーブルについて、1・2は二律背反しています。品揃えを増やすと思えば、売り場面積は広くなり、買い物するのに時間が掛かることになります。これをクリアするために、売上不振の非書籍の売場を減らし、一方で店舗の小型化を進めているのです。うまくいくかは、誰にもわかりませんが、リアル店舗の買い物しやすさは、IT活用によってもある程度実現できるのではないでしょうか。

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《今回のヒントのまとめ》

  1. バーンズ&ノーブルがギフト用品やゲームなど非書籍の売場を減らし、書籍販売に回帰するのは、顧客が書籍の品揃えを求めているからである。
  2. また、これまで販売強化していた非書籍が、ネット通販との価格競争に陥りやすいことも、非書籍の売場縮小を決めた理由だろう。
  3. 書籍回帰の他に小型店の出店を進めるのは、買い物のしやすさが購入先を決める大きな要因だからである。
  4. リアル店舗には、体験を提供することにより、ネット通販との差別化・棲み分けが可能になる。
  5. また、買い物のしやすさは、ネット・リアルとも購入先を決めるのに大きな影響を及ぼす。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

だいぶ寒くなりました。

今一番欲しいのは、ユニクロのダウンベスト。

ジャケットの下にも着用できるものです。

通販サイトのコメント見ると、高評価が多く、暖かいとか。

年初のセールで狙っています。

もちろん楽天でもダウンベストは売っていますが、少し高いようです。

 

 

編集後記

先日止まった埼玉のホテルは、かなりユニークで、部屋設置のファイルには「埼玉出身の芸能人紹介」など面白い情報が満載。

また泊まりたいと思いますが、如何せんコンビニが近くにない。

これは本当に痛いですね。

 

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