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【747号】ウォルマートの小型店シフトを無視できない

中国のウォルマート

by courtesy of Fruitnet.com

 

 

◎本日のニュース

1)見出し 
Wal-Mart’s Big-Box Formula Comes Under Strain

 

 

 

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2)要約

客数の減少に悩むウォルマート・ストアーズ社は、ネット通販と小型店への投資を増加させる。消費者の中で、衣類や家電はネットで買い、より日常的な物は1ドルショップやドラッグストアで買うという買い物習慣が広がり、利便性が求められているからである。

 

ウォルマートの小型店は、食品はもちろん薬・ガソリンまで揃え、さらにネットで注文したものを受け取れるサービスも提供する。これにより、生鮮品やガソリンを扱わない1ドルショップや、宅配でしか受け取れないネット通販専業との差別化を図る。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

Wal-Mart Stores Inc., facing a sustained drop in store traffic, said it would accelerate its spending on its online presence and smaller-format stores meant to be more convenient for short shopping trips.

 

4)キーとなる英文の和訳

ウォルマート・ストアーズ社は、客数の継続的減少に直面しているので、ネット通販と小型店への投資を加速すると発表した。

これらの投資の目的は、短時間での買い物をより便利にさせるためである。

 

5)気になる単語・表現

sustain

他動詞

(行動など)を持続させる;(被害など)をこうむる;(困難など)に耐える

accelerate

他動詞

(車など)を加速する;~に拍車を掛ける

presence

名詞

(経済市場における)存在、影響力

format

名詞

(書籍・雑誌などの)判、型;体裁

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

ウォルマート・ストアーズ社が、大型店重視からネット通販・小型店重視に方針転換するという話ですが、まずはウォルマートの業績から見たいと思います。2014年1月に終わった通期決算では、増収減益。世界に店舗網を広げる小売業としては、異例の減益です。その要因は、全米の既存店売上の悪化と海外店舗の売上不振にあります。今回の方針転換は、全米の既存店売上が振るわないための打開策になります。ちなみに、全米の既存店が前年を下回ったのは、2011年1月期以来。既存店の売上悪化は、増加率が急減した2013年1月期から予兆がありました。今回久々の前年割れに落ち込んだために、ウォルマートは重い腰を上げて、改革に取り組む様子が伺えます。

 

ウォルマート全米既存店の売上悪化の要因は、客数の減少であり、顧客がネット通販や1ドルショップ・ドラッグストアに奪われたからに他なりません。この背景には、利便性を求める消費者ニーズの変化があります。短時間で買い物を済ませたい消費者にとっては、なんでも揃う大型店のウォルマートよりも、どこからでも買い物ができるネット通販や店舗数が多く小型の1ドルショップ・ドラッグストアの方が便利なのです。買い物対象によっても、利用する小売店は異なります。

 

【消費者がネット通販や1ドルショップ・ドラッグストアで買い商品】

[ネット通販]家電や衣類などの大型の耐久消費財

[1ドルショップ・ドラッグストア]商品や医薬品などより日常的な消耗品

 

消費者が、買い物商品によりこのような使い分けをすると、ウォルマートの大型店の出番がありません。その理由は、買い物に時間が取られるから。

 

そこで、この3業態に対抗するために、ウォルマートは小型店で次のようなサービスを提供する予定です。

 

【ウォルマート小型店が提供するサービス】

[対ネット通販]ウォルマートの通販サイトで購入した商品の受け取りができるサービス

[対1ドルショップ・ドラッグストア]食品や医薬品・ガソリンなどを素早く購入できるサービス

 

前者のサービスにより、来店頻度を高めることができ、ついで買いが期待できます。これは、客数増につながります。また、実店舗で受け取られることで、ウォルマートのネット通販がアマゾンなどネット通販専業から顧客を奪うことも可能になります。一方、後者のサービスにより、1ドルショップやドラッグストアに奪われた顧客を奪還できることになります。1ドルショップにはないガソリンや生鮮品・冷凍食品を扱うことで、ワンストップ・ショッピングという利便性も提供でき、消費者が求める買い物時間の短縮に貢献できることにもなります。

 

ウォルマートが歩み寄った消費者ニーズとは、品揃えや価格よりも時短を優先したいというもの。ウォルマートの大型店では、1ドルショップやドラッグストアにはない食料品を低価格で提供していました。これこそが、消費者ニーズだと考えたからに他なりません。しかし、この販売手法により客数が前年比1.7%減少し、既存店売上悪化の大きな要因になったのです。大型店主体だったウォルマートがネット通販・小型店にシフトしたことは、それだけ時短ニーズを持つ消費者が増えたことに他ならず、今後この動きは小売業界に広がることと思われます。

 

要は、低価格大量販売から少量多品種時短販売へのシフトです。同じことは、日本でも起こっており、セブン-イレブンがスーパーから顧客を奪っていることが物語っています。日本のスーパーやGMSでも、今後小型店シフトが進む可能性は高いのではないのでしょうか。

 

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《今回のヒントのまとめ》

(1) 大型店主体のウォルマート・ストアーズ社が、小型店への投資を増やすのは、大型店では客数減少を食い止められないと判断したからだろう。

(2) この背景には、価格や品揃え重視から時短重視への消費者ニーズの変化がある。

(3) ウォルマートは、小型店でネット通販購入品の引取りや、ガソリン・生鮮品・冷凍食品の取扱により、ネット通販や1ドルショップ・ドラッグストアとの差別化を図ろうとしている。

(4) 消費者の時短重視は日本でも起こっており、日本のスーパー・GMSのでも小型シフトが起こるのではないか。

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7)おすすめ商品・サービス 

◎最近見つけたいいもの

ついにノートパソコンを新調しました。

ヤフオクで中古にしようか迷ったのですが、5年利用できれば毎月2000円程度で済むので、新品にしました。

それにしても、OSのサポートによりPCを強制的に買い換えなければならないのは、腑に落ちないですね。

かと言って、OSが無料でアップグレードできるマックでは不便ですし。

TOSHIBA dynabook kira V634 K274

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

小型店を作るのは、そう難しくないですが、小型店で利益を出すのは大きなハードルのようです。

小型店は、大型店よりも面積あたりの従業員数が多くなり、さらに生鮮品や総菜などの処分の比率も高まり、コストがより掛かるからです。

このノウハウを持っているのが、コンビニ。

日本のコンビニが、海外特に先進国に進出事例が今後起こるかもしれません。

 

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

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