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【869号】未来の買い物・小売のキーワードは「ライフスタイル」「手作り」「パーソナル」「近さ」だ!

shopping mall

 

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
The Future of Shopping

 

 

 

 

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2)要約

小売は、社会の変化を反映する。よって、良い店の要素は時代によって変わってくる。人口動態・経済環境・科学技術などが、小売に変化を余儀なくさせる。

 

具体的には、買い物の場所であったモールが生活全般のサービスを提供し、手作り品や食品の作品が中間業者を排して直接購入できるようになる。また、アパレル品は、工場と売場の距離は大きく縮小し、カスタマイズされた服がその場で手に入るようになるかもしれない。スマホは、ネット通販の利用を増やすだけではなく、売り手が買い手の近くまで来ることを可能とする。

 

小売の変化を加速させるのが、消費の主体がベビーブーマー世代からミレニアル世代にシフトしているという変化である。ただし、北米のミレニアル世代は、あまり移動せず、購買力も乏しいことから、小売業界はこの変化に悪影響を受けるかもしれない。

 

3)キーとなる英文

Retail change is accelerating as the mantle of consumption is passed from a retiring generation of baby boomers to a millennial generation that is in its genetic prime: finding partners, having children and pumping up spending.

 

4)キーとなる英文の和訳

小売の変化が加速するのは、消費の主体が、仕事を引退するベビーブーマー世代から人生の最盛期を迎えるミレニアル世代に移るからである。

ミレニアル世代は、結婚相手を探し、子供を産み、消費を拡大する。

 

5)気になる単語・表現

dipstick 名詞 計量棒
gender 名詞
mantle 名詞 責任;マント
genetic 形容詞 遺伝子の
prime 名詞 最高の状態;全盛期
turmoil 名詞 騒ぎ
equity 名詞 公正;正当
recreate 他動詞 ~に気晴らしをさせる
artisanal 形容詞 職人の
health 名詞 繁栄;(一般に)状態
counter 形容詞 反対の
no more than 形容詞 わずかの、たった
stitch 他動詞 ~を縫い合わせる
glue 他動詞 ~を接着剤で付ける
guesswork 名詞 当てずっぽう
vulnerable 形容詞 傷つきやすい;攻撃されやすい
peddler 名詞 行商人
curate 自動詞 ~を企画する
compost 名詞 堆肥

※記事全体から、重要単語をピックアップしました。

 

6)ビジネスのヒント

今回の記事のテーマは、国際小売コンサルタントが現状から予想した小売・消費の4つのトレンド。簡単にまとめると、次のようになります。

 

【小売・消費の4つのトレンド】

  1. 物販からライフスタイル全般サービスの提供にシフトするモール
  2. 手作り品・職人の逸品ブーム
  3. 自動化・カスタマイズ化するアパレル商品
  4. スマホを使って消費者に近づく小売

 

小売に変化を及ぼすのは、人口動態・経済環境・技術革新。特に、人口動態の変化が、小売の変化を加速させています。つまり、消費の主体が、仕事から引退するベビーブーマー世代から今後消費を拡大させるミレニアル世代にシフトしていることにより、小売は変化を余儀なくさせているのです。

 

1について、従来のモールには、流行のアパレルショップ・書店・フードコートがメインテナントとして入居していました。これがガラッと変わり、物販・飲食サービスだけではなく、生活で必要とされるサービス全般を提供するようになると予想されています。具体的には、アパレル・家電・生活雑貨はもちろん、ジム・最新フィットネスセンター・医療サービス・学校・スーパー・高級スパまで取り込むようです。このようなインフラ化したモールは、騒動の多い新興国では、安全で衛生的であり空調の整った場所として重宝されているようです。世界的に、モールが生活全般のサービスを提供するインフラ化する傾向にあるようです。

 

2について、手作り品・職人の逸品は、工場ではない環境で作られるため、高くても売れています。手作りそのものがブランドであるため、コモディティ化も避けられます。この最たる例は、農作物の直売所(ファーマーズ・マーケット)であり、中間業者を排したのがその特徴。また、手作り品を売買できるサイトのエッティや、価格よりもイメージで買う要素が高い通販サイト・マレーズチーズなどは、手作り品をより身近な存在にしています。手作り品・職人の逸品は、今後小売にとって必需品となると予想されています。ただし、消費経済全体の15~20%しか占めないとされるので、市場規模はマスにはなりません。

 

3について、衣料品を販売するだけのアパレルショップが、顧客のサイズ測定から顧客が欲しいデザインの衣料品の製造・販売まで担う可能性があります。例えば、ソウルでは、ショールームのボディスキャナーで測定し、それに応じて衣料品のデザインまでするショップがあるようです。これが進化すると、測定したサイズから買い物を手助けするばかりか、クローゼットの中の管理まで行うことも考えられます。例えば、欲しいデザインのTシャツが見つかっても、クローゼットに複数のTシャツがあれば、違うカテゴリーの商品を薦めてくれます。売場で自分好みのデザインの服を製造してくれなくても、衣料品工場と売場の距離がかなり縮まることは十分考えられます。売れるかどうかわからない商品を、賃金の低い遠くの新興国で大量生産するよりも、確実に買ってくれる商品を賃金が高くても国内で作った方が儲かれば、この変化は一気に起こるでしょう。

 

4について、スマホの普及は2つの意味があります。一つ目は、どこでもネット通販で買い物ができるという意味。もう一つは、売り手が顧客の近くまでやってくるという意味です。後者は、ビーチやアメフトの試合や街角では商売する小売・飲食のワゴン車の進化系であり、より購入が起こりやすい場所までワゴン車がやってくることを意味します。例えば、ツイッターでお腹が空いたとつぶやけば、そのGPS情報からその人がいる場所までホットドックの屋台がやってくるかも知れません。

 

これら4つのトレンドから次のようなことがわかります。

 

【小売・買い物の4トレンドからわかること】

  1. 集客コストが高くなる→モールのインフラ化・スマホを使った買い手の近づき
  2. 大量生産品の価格競争激化→コモディティ化は止まらない
  3. 機能よりもイメージ・ブランドにお金を払う→手作りブーム
  4. 実店舗は体験・コト消費を提供することでネット通販と差別化→その場で測定・デザインまでしてくれるアパレルショップ

 

1に関して、日本でも、モール間競争が激しくなり、医療サービスを提供したり、エンタメ施設を導入したりすることで、差別化を図るSCが増えています。これは、競争激化による集客難を物語っています。さらに、ネット通販との競合もあるので、実店舗ならではのサービスを提供しない限り、物販だけでは生き残れません。セルフサービスの業態も、接客サービスを重視せざるを得なくなるでしょう。

 

2について、手作り品に価値を見出す人が増えれば、逆に大量生産品に見向きもしない人が増えるということでもあります。コモディティ化は避けられず、価格競争はこれからも続くと予想されます。3にも関係しますが、イメージやブランドで消費者から好感を得られなければ、生き残れません。イメージ重視のユニクロ・セブン-イレブンが好業績を収めているのは、まさにこれです。

 

4について、日本では起こっていませんが、アメリカではモール・実店舗の小売がネット通販に侵食されています。単なる物販では、低コスト運営が可能なネット通販に軍配が上がるからでしょう。ショールーミングすら起こらない恐れがあります。日本のネット通販の利便性が増せば、同じことが起こる可能性は高いと思われます。ではどうするか。ネット通販では提供できないサービス・コト消費を提供するしかありません。セルフサービス業態も含め、今後サービス・コト消費提供型の実店舗は増えると予想されます。

 

大きな変化に直面する小売業界は、ビジネスチャンスが満載とも言っても過言ではありません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 人口動態・経済環境・科学技術の変化は、消費に変化を及ぼし、小売を変える要素となる。
  2. 今、仕事から引退するベビーブーマー世代から消費の全盛期を迎えるミレニアル世代に消費の主体がシフトしている。
  3. この変化によって、4つの変化が起きると予想される。物販主体から生活サービス全般の提供にシフトするモール、手作り品ブームの拡大、自分好みのデザインまでしてくれるアパレルショップ、スマホの普及により顧客の側までやってくる小売サービスである。
  4. これらの変化から考えられるのは、競争激化による集客コストの上昇、大量生産品のさらなるコモディティ化、機能よりもイメージ・ブランド重視、実店舗に必須な体験・コト消費である。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

ペットボトルのミネラルウォーターから卒業しました。

卒業というよりも、コスト削減が目的なのですが。

先日、浄水器のブリタを買ったのですが、これが実に便利。

浄水後の水が残っていても、追加ですぐに浄水できます。

しかも、カートリッジ代だけでボトルを買えたので、ボトルはほぼタダ。(今も同じ価格かは知りませんが。)

是非一度、楽天のエディオンを調べてください。

ブリタのお陰で、ペットボトルのゴミも減って、幸せです。

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

私もずいぶんネット通販を利用するようになりました。

日常品・加工食品でもネット通販はずいぶんと安くなりましたから。

ただ、実店舗のセール品にはまだまだ及びません。

店舗まで行くコストを考慮すれば、ネット通販の方が総コストは低く抑えられるでしょう。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com

高尾亮太朗のTubmlr⇒ ryotarotakao.tumblr.com

高尾亮太朗のGoogle+⇒ gplus.to/ryotarotakao

高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/ryotarotakao/

今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

 

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