【1076号】ETFは決してコストが低いわけではない!?
※火曜日は簡易版に変更しました。
◎本日のニュース
1)見出し
The Expensive Ingredient of Cheap ETFs
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2)ビジネスのヒント
ETFは、低価格から投資できるコスト面や指値で購入できる利便性において、資産運用に向いているとされています。また、日本でも最近ETFの種類が増加し、多様な投資対象に投資できるという利点もあります。これだけ見れば、いいとこ尽くしですが、実は目に見えない欠点があるようです。それは、意外にコストが掛かるという点です。
このコストとは、ETFがベンチマークする元の試算との価格差に表れます。そのコスト要因は、取引コストや維持管理コスト(投資信託で言う信託報酬)に他なりません。
また、次のような状況では、元資産との差異は生まれやすいようです。
【元試算との差異=コストが発生しやすい状況】
- 市場の変動が大きな時
- 元資産が取引量の少ない場合
1について、ボラタイルな市場環境では、無理な購入が増えることにより、コストは高まります。2について、取引量の少ない元資産の場合は、思った価格で変えずに、思わぬ高値での購入を余儀なくされます。これも、コスト高につながります。
このコストは平均では約0.06%ですが、
貴金属ファンド→0.18%
社債ファンド・ハイイールド債ファンド・新興国債券ファンド→0.31%
外国小型株ファンド→0.37%
などマイナーなETFの場合は、2の理由によりコストは割高になりがちです。
記事によると、ETFのコスト(=元資産との差異)は年間で180億ドルにも及びます。
問題なのは、元資産の価格が見えにくい点です。その結果、ETFの価格と元資産の価格の差がわかりにくく、割高な時に買ってしまいがちになります。
記事の著者は、変動率の低い今の市場に警鐘を鳴らしています。というのも、ボラティリティの低い投資環境では、見えにくいETFのコストが忘れられがちになるからです。このような低い変動率の市場が長続きする保証はありません。いずれ、ボラタイルな市場になり、ETFの見えないコストが大きくなりやすくなります。注意が必要です。
コストをできるだけ少なくするアドバイスをまとめると、次のようになります。
【低コストでETFに投資するコツ】
- 変動の大きな日は投資しない
- 取引する前にザラ場の気配値を確認する
- 買わない最高価格・売らない最低価格のリミットを入れて買い注文を出す
- 人気のある大きなETFを選ぶ
- 特定のファンドを買いたい場合は、買う前に元資産との差を調べる
【注目点】
- 投資をする際は、値上がり幅・率だけではなく、コストにも注意する
当たり前と言えば当たり前ですが、投資する際はついつい利回りだけに目が行ってしまいがちです。しかし、投資は回収して初めてイグジットできます。そして、コストが低ければ低いほど、イグジットしやすくなるのです。コストの重要性はわかるかと思います。
前回のメルマガでは、消費財メーカーのコスト抑制策が広告代理店にとって直近の脅威になっていることを取り上げました。そして、今回は個人によるETFのコスト面がメインテーマです。法人・個人の差はあれ、共通点はコストです。低成長・低インフレの時代は、個人・法人ともコスト管理は重要なのです。
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《今回のヒントのまとめ》
資産運用にうってつけのETFにもコストは掛かる。
コストが生まれにくい変動率の低い時に投資し、流動性の高い人気のあるETFに投資する方がいい。
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7)おすすめ商品・サービス
◎最近見つけた気になるもの
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編集後記
かなり暖かくなりました。
そして、今年は4月から花粉症がひどくなりました。
ヒノキに反応するようになったのかなぁ。
GWまでは我慢です。
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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2017/04/26 | 資産運用
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