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【1093号】アマゾンが低所得者のプライム会費をまける理由とは?

Wal-Mart

 

◎本日のニュース

1)見出し 

Amazon Fights Wal-Mart for Low-Income Shoppers

 

【出典】

 

 

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2)要約

アマゾン・ドット・コム社は、ライバルのウォルマート・ストアーズ社対策として、低所得者のプライム会費を引き下げると発表した。これに該当するのは、フードスタンプのカードを持参する消費者で、全米人口の約20%に相当する。

 

この背景には、低所得者がネット通販を使いやすくなったことがある。スマホが普及し、クレジットカードがなくてもATMで支払いでき、安全な場所で受取れることができるよになった。この結果、ネット通販利用は富裕層よりも増加している。

 

ただし、低価格・郊外立地という低所得者向けのサービスという点では、アマゾンはウォルマートに劣る。プライム会費の値下げも、フードスタンプのカードを登録する必要がある。

 

3)キーとなる英文

Amazon.com Inc. launched the latest salvo in an e-commerce battle with Wal-Mart Stores Inc. by targeting its stronghold: lower-income consumers.

 

4)キーとなる英文の和訳

アマゾン・ドット・コム社は、ウォルマート・ストアーズ社とのネット通販競争で最近発表した強硬策は、そのメイン顧客をターゲットにしたものである。

メイン顧客とは、低所得者である。

 

5)気になる単語・表現

salvo 名詞 一斉射撃
stronghold 名詞 本拠点
impediment 名詞 障害
temporary 形容詞 一時の
tread 自動詞 踏む;踏みつける
eligibility 名詞 適任;適性
pilot 名詞 水先案内人

 

(特に覚えておきたい単語)

【impediment】

  1. 障害、妨害(物)
  2. 身体障害、(特に)言語障害
  3. 婚姻上の障害;契約上の法的障害

(類義語)

「障害、妨げ」

obstacle, difficulty, barrier, hindrance, block, resistance, bar, countercheck, obstruction, drawback

「障害(心身の)」

disorder, handicap, defect, abnormality, disability

「身体障害」

disability

(コメント)

「障害」で覚える。

 

6)ビジネスのヒント

アマゾンがウォルマート対策として、低所得者のプライム会費を値下げするようです。これは、日経新聞夕刊にも報じられました。ウォルマート対策を強化するのは、ウォルマートが買収したジェットドットコムのCEOをネット通販責任者に据えてから、積極的にネット通販を強化しているから。それだけ、アメリカでは熾烈な競争が行われているようです。

 

アマゾンが低所得者のプライム会費を値下げする理由は、以下の通りです。

 

【アマゾンが低所得者のプライム会費を値下げする理由】

  1. 低所得者はネット通販市場で急成長しているから。
  2. フードスタンプがネット通販で使える可能性が高まったから
  3. スマホ普及やATM経由の支払いや受取ロッカーの登場など、低所得者のネット通販利用ハードルが下がってるから
  4. ライバルであるウォルマート社の主要顧客だから

 

1について、ネット通販を利用する低所得者の割合は、2009年から2016年にかけて28%も増加しました。これは、同期間の高所得者の割合よりも高いのです。高所得者は、もうすでにネット通販ユーザーである人が大部分なのに対し、低所得者はまだ開拓の余地があることがわかります。特に、アマゾンユーザーの平均年収は68000ドル(2015年)であり、低所得者をメイン顧客にするウォルマートの58000ドルよりも高いので、アマゾンは低所得者を開拓することにより、客数を増やすことができます。だから、プライム会費を値下げするのです。

 

2について、現在フードスタンプは、実店舗での購入でしか利用できず、ネット支払いには利用できません。だから、実店舗を持つウォルマートに有利なのです。しかし、この制約は崩れつつあります。というのも、2年間限定でネット支払いの実験をアマゾンとウォルマートで行うからです。これで支障がなければ、恐らくネットで使えるようになるでしょう。そうなれば、ウォルマートのアドバンテージが無くなり、アマゾンは客数増が期待できます。

 

3は1の要因。ネット通販のハードルが下がったことにより、低所得者のネット通販利用は増える傾向にあります。アマゾンは、この成長市場に着目したのです。実際、ネット通販をよく利用するアメリカ人は、全世帯の約半分しかありません。この要因は、低所得者のネット利用はまだまだ低い水準だから。未開拓市場だからこそ、アマゾンは着目するのです。

 

4について、ジェットドットコムの元CEO主導でネット通販を強化するウォルマートは、アマゾンにとって脅威。だからこそ、その主要顧客である低所得者を狙い撃ちするのです。

 

これまで、アマゾンとウォルマートは、立地・ユーザー層・販売方法で住み分けてきました。都市部の富裕層・中間層をメイン顧客にネット通販を行ってきたのが、アマゾン。一方のウォルマートは、郊外立地の実店舗で低所得者向けの販売を行ってきました。この住み分けが、ジェットドットコム元CEO主導でネット通販強化を進めるようになってから。守勢に廻るアマゾンも、実店舗に進出しています。もう、アマゾンとウォルマートは、実店舗・ネット通販双方で競合するライバル関係なのです。

 

“打倒・ウォルマート”のアマゾンですが、アマゾンには不利な点も指摘されています。

 

【対ウォルマートでアマゾンが不利な点】

  1. 低所得者のウォルマートへのロイヤルティは高いこと。
  2. アマゾンはネット上で低所得者かどうかを見分けるのは難しいこと。

 

1について、立地・売場を低所得者向きに展開してきたウォルマートは、その歴史ゆえに低所得者からの支持はかなり高いようです。例えば、ウォルマートは、低所得者への補助が支給される日、低価格品を目立つ売場に移動するそうです。こういう細かな配慮が、根強いファンを生み出すものです。企業の歴史もそうですが、低所得者への販売でも歴史が違います。

 

2について、実店舗でフードスタンプのカードを提示してもらえれば、補助が必要な人かどうかを判別できるウォルマートに対し、ネットのアマゾンはこの判別をネット上で行うしかありません。しかし、現状フードスタンプのカードは、ネットで識別に使われた実績がないようです。政府の方針から、今後ネットにも対応すると予想されますが、それまでじっと待たなければならいアマゾンは、間違いなく不利です。

 

【注目点】

  1. 実店舗購入をネットにシフトされる機会は、ビジネスチャンスに他ならない。
  2. 低所得者も、ニーズを的確に捉えれば、優良顧客になりえる。
  3. 所得層別に価格を変えれば、なりすましの恐れあり。

 

1について、買い物が実店舗からネットにシフトすることは、ビジネスチャンスを生み出します。今回の記事では、フードスタンプがネットに対応できることにより、アマゾンは低所得者という新規顧客を獲得できるのです。他にも、宅配やクレジットカード、受取ロッカー、入金ATMなど、ネットにシフトすることで、新たなビジネスが生まれていることがわかります。

 

2について、低所得者のニーズを的確に捉えたのが、ウォルマート。その結果、顧客の平均世帯年収は、アマゾンよりも低くなっていますが、その分根強いファンを生み出しています。補助金支給日に、低所得者が欲しそうな商品を目立つ場所に移動するなど、細かな配慮が、低所得者のロイヤルティを高め、ウォルマートの強みになっているのです。ウォルマートにとっては、低所得者は優良顧客なのです。だから、これだけウォルマートは成長できたのです。

 

3について、アマゾンが低所得者のプライム会費を値下げすると発表しました。この結果、低所得者のなりすましが起こる恐れがあります。明確に識別できるようになればいいですが、まだ実験段階。ノーマル会費に該当するユーザーの代わりに、低所得者が買い物をするということも考えられます。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. アマゾンがプライム会費を値下げすることで、低所得者獲得を目指すのは、ネット通販市場において、低所得者は成長市場だからである。富裕層よりも利用者の増加率が大きく、開拓の余地は大きい。
  2. また、現在実店舗でしか使えないフードスタンプカードが、ネットに対応する可能性が高いからである。今後、ウォルマートとアマゾンでネット利用の実験が行われる予定である。
  3. ネット通販への投資を拡大するウォルマート対策という意味も強い。ウォルマートの主要顧客である低所得者をターゲットにすることで、アマゾンはライバル・ウォルマートに打撃を与えることができる。
  4. 低所得者のネット利用が増えたのは、スマホ普及や入金用ATM・受取ロッカーの登場など、ネット通販のハードルが下がったからである。
  5. アマゾンは低所得者獲得で不利とも言える。というのも、低所得者のウォルマートへのロイヤルティは高いからである。また、ネットで低所得者かどうかを見分けるのは、難しいからである。

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アマゾンと物流大戦争 (NHK出版新書)
by カエレバ

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

またまたふるさと納税ネタ・小正醸造ネタです。

 

ふるさと納税で頂いた3升の焼酎が、予想以上に美味しかった。

フルーティーな黄猿しかまだ飲んでいませんが、あまりの美味しさにもったいなく感じ、ちびちび飲むほどです。

ここまでフルーティーな芋焼酎を飲んだことはありません。

さらに、ワイン酵母で仕込んだ麦焼酎の白猿は、飲むのが楽しみで仕方がありません。

今年もいただこうかと思います。

日置市さん・小正醸造さん、ありがとうございます。

 

【ふるさと納税】赤猿・黄猿・白猿の1升瓶3本セット 小正醸造

 

もちろん、楽天市場で販売もありますよ。

いいもの作るなぁ、小正醸造さんは。

goo.gl/j7ZdTc

 

編集後記

最近、炭水化物ばかり食べていて、明らかに野菜不足。

昼に何とか野菜を取れるようにしたいものです。

野菜ジュースでもいいですが、栄養が本当に取れるかどうかは疑問です。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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