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【1115号】JCペニーがIT投資に復活を賭ける理由とは?

JCPenney mall entrance

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

J.C. Penney Sees Solutions in Greater Tech Investment

 

毎週火曜・土曜の18時、メルマガにて配信。

(サイトへの掲載は、翌日以降です。)

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2)要約

JCペニーは投資の大半をITに傾け、コスト削減と売上増による収益拡大を目指している。ITを使うことで顧客データの分析を進め、運営を効率化するとともに、顧客サービスを向上させる。

 

JCペニーの現状は、既存店売上の減少が続き、利益どころか損失が拡大している。その結果、無敗が続く。

 

3)キーとなる英文

Reallocating a greater portion of the approximately $400 million J.C. Penney Co. spends on capital expenditures to technology efforts would help trim costs and boost sales, according to Jeffrey Davis, the retailer’s new finance chief.

 

4)キーとなる英文の和訳

新CFOのジェフリー・デービス氏によると、JCペニー社は、投資する約4億ドルのうちITへの投資額を増やしている。

これにより、コスト削減と売上増が期待できる。

 

5)気になる単語・表現

exaxt 形容詞 ぴったりな;正確な
pitfall 名詞 隠れた危険

 

(特に覚えておきたい単語)

今回はおやすみ

 

6)ビジネスのヒント

JCペニー社の苦戦は、何度もメルマガで取り上げています。小売業界の記事が多いので、メインで取り上げなくても、苦戦する実店舗企業の代表格がJCペニー。その一番の要因は、ネット通販に顧客を奪われているからです。(もちろん)

 

実店舗主体の小売企業が苦戦から脱するには、店舗改装をするのが手っ取り早い。日本でもこれは同じ。それは、顧客・見込み客にとって、一番分かり易いからです。改装すれば、店自体が新しくなったも同じ。オープニングセールもするでしょう。そこで来店すれば、従来のJCペニーの印象も薄れ、新規顧客獲得に結びつく可能性も高まります。

 

それでも、JCペニーは店舗改装よりもIT投資を優先しています。その理由は、以下の通り。

 

【JCペニーがIT投資を優先する理由】

  1. IT投資により、損益分岐点を引き下げ、黒字転換を早められるから。
  2. IT投資により、店舗運営を効率化し、その一方で顧客サービスに力を入れられ、ネット通販専業企業と差別化できるから。
  3. ネット・リアルの顧客データを活用することで、ネット専業企業よりも販売機会を伸ばせるから。
  4. IT投資を進めるCEO・CFOとも、データ分析に長けた企業出身だから。
  5. 店舗改装などの大型投資をする余裕が、財務上ないから。

 

1について、IT投資によりJCペニーが目指すのは、販管費の引き下げ。これは、固定費の引き下げに他なりません。最終損失が続くJCペニーは、固定費引き下げにより損益分岐点を引き下げて、早期の黒字転換を目指しているのです。

 

2について、一方の実店舗主体の小売企業の強みは、店員による接客。ITを活用することで、店舗運営業務を効率化し、一方で接客サービスに時間を割くことができます。接客サービスは、ネット通販専業にはない実店舗型小売の強み。この強みを磨くことで、ネット専業との競争を有利に戦うことができます。

 

3について、実店舗販売のみならずネット通販も持つJCペニー。双方の顧客データを活用することで、ネット専業よりも多くの販売機会を得られます。

 

4について、現在のCEO・CFOとも、データ分析に力を入れていた企業(ダーデン・レストラン、ターゲット、ホーム・デポなど)出身。IT投資に期待するのは当然です。

 

5について、店舗改装よりもIT投資を優先する率直な理由は、店舗改装をする余裕がないからでしょう。ITの方が投資額を低く見積もるので、財務体質が脆いJCペニーは、IT投資しか選択肢がないのかもしれません。

 

IT投資を優先するJCペニーですが、業績はまだ悪化傾向が続きます。

 

【JCペニーの直近四半期業績】

  1. 既存店売上は3%減→顧客離れが続く
  2. 最終損失は6200万ドル

 

1について、既存店売上のマイナスは続くものの、減少率は改善しています。一方の最終損失は拡大しています。この二点からわかるのは、固定費が大きいため、売上が少し回復しても、損益は簡単に改善しないということです。だからこそ、IT投資により、損益分岐点の引き下げを目指しているのです。

 

小売企業の成功するIT投資は次の通り。

 

【小売企業の成功するIT投資】

  1. 販売予測精度の向上による在庫数の削減
  2. サプライチェーンの迅速化

 

1について、顧客データを分析することで、販売予測の精度が高まれば、無駄な在庫が減り、無駄な処分販売を減らすことができます。この結果、値下げ減・平均販売価格の向上により、収益率は向上します。

 

一方2のサプライチェーンの迅速化により、販売チャンスロスは減少します。顧客が欲しい時に商品を提供できるからです。

 

1により収益性の向上、2により売上拡大が期待できるので、全体で増収増益が十分可能となります。

 

【注目点】

  1. IT投資により、既存ビジネスの収益は拡大。
  2. It投資により、本来業務である顧客サービスの向上が期待でき、ロイヤルティ向上・長期的利益拡大が期待できる。

 

小売企業は売場への投資を優先するイメージがありますが、ネット通販専業との競争激化により、It投資も無視できなくなりました。IT投資により、短期的ではなく長期的な損益向上を目指すのです。

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《今回のヒントのまとめ》

  1. JCペニーが売場ではなくIT投資への支出を増やすのは、IT投資により損益分岐点を引き下げられ、収益が向上するから。
  2. また、IT投資により運営効率を上げ、店員の本来業務である顧客サービスに力をいれられるから。
  3. さらに、ネット・リアルの顧客データを合体させることにより、ネット専業よりも販売機会を増やせる。
  4. IT投資でサービス拡充を目指すことにより、ロイヤルティ向上・長期的利益拡大が期待できる。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

酒類規制の強化により、ビールの店頭価格が上昇しています。

値上げ後から買ったことがありませんが、第三でもケースで2500円前後はなかなか見当たらないみたい。

これでは、ますます焼酎シフトが自分の中で進みそうです。

 

そんな中で見つけたのが、ビールのふるさと納税。

こちらも規制が強化されましたが、まだまだ1万円で1ケースの記念品(?)は残っているようです。

 

泉佐野市さんは、ビール以外でも充実しているから、注目です。

 

 

編集後記

深夜0時にメルマガ執筆は結構疲れます。

それでは。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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