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【723号】期待外れに終わった米クリスマス商戦の開幕戦からわかる、アメリカ個人消費事情

Black Friday in San Franciscoby courtesy of Steve Rhodes

 

◎本日のニュース

1)見出し 
Holiday Sales Sag Despite Blitz of Deals

 

 

 

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2)要約

感謝祭翌日から始まるクリスマス商戦の第一幕は、期待外れに終わった。ブラックフライデーを含む週末小売売上が、7年ぶりに前年を割り込んだからである。この一番の要因は、感謝祭当日に前倒ししたセールが、ブラックフライデーの売上を先食いしたことである。

 

しかし、それだけが要因ではない。拡大するネット通販に対抗しようと、激しい値引き合戦が行われたことも、客数が増加しても売上金額がさほど伸びない要因となった。ガソリン価格の下落と株価・住宅価格の上昇にも関わらず、消費者の節約志向が根強いことも、売上が伸び悩む要因とされている。

 

◎キーセンテンスとその翻訳

3)キーとなる英文

Retail spending over Thanksgiving weekend dropped for the first time in at least seven years, the industry’s main trade group said, as the blitz of deals and earlier opening hours apparently failed to pry more dollars out of the hands of budget-conscious shoppers.

 

4)キーとなる英文の和訳

感謝祭の週末における小売店での支出金額が、少なくとも過去7年で初めて減少した。

小売業の主要組合によると、値引きキャンペーンや開始時期の前倒しにも関わらず、実際には、節約志向の強い買物客の財布の紐を緩めることはできなかった、という。

 

5)気になる単語・表現

trade

名詞

商売、小売業;同業

blitz

名詞

宣伝、キャンペーン;電撃

apparently

副詞

実際は;見たところは~らしい

budget-conscious

形容詞

予算を意識した

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

アメリカのクリスマス商戦は、感謝祭の翌日(所謂ブラックフライデー)から始まります。そして、ブラックフライデーを含む週末の小売売上は、クリスマス商戦を占う上でも注目されるのですが、この数字が7年ぶりに前年比で減少したようです。

 

【2013年ブラックフライデーの売上速報】

[週末(11/29~12/1)の売上]574億ドル→2.7%減

[感謝祭(11/28)の客数]4500万人→27%増

[ブラックフライデー(11/29)の客数]9200万人→3.5%増

※全米小売業協会(the National Retail Federation)調べ

 

上記結果から、感謝祭当日の客数が急増していることがわかります。その結果、感謝祭当日の売上も急増したことが、容易に推測できます。よって、週末の小売売上が減少したのは、感謝祭当日に前倒しされたことが大きな要因なのです。通常、クリスマス商戦は感謝祭翌日のブラックフライデーから行われますが、今年は大手小売企業を感謝祭当日に前倒ししました。実際、年末までの小売売上では、前年比3.9%増が予想されております。

 

そこで、感謝祭にセール開始日を前倒しした要因を考えたいと思います。

 

【感謝祭当日にセール開始日が前倒しされた理由】

[1]    ネット通販も含めた小売業の競争激化

[2]    消費者の根強い節約志向

 

1について、年末までの小売売上は前年比微増する一方で、ネット通販を利用する割合は大きく伸びています。

 

【感謝祭週末でのネット通販利用の拡大】

2013年 全体の44%

2012年 同41%

2006年 同23%

 

ネット通販での買物金額が、半分近くにまで増加しています。この傾向は年末まで続くと推測されるので、全体の売上が微増ということを考慮に入れると、それだけ買い物場所が実店舗からネット通販へシフトしていることがわかります。そこで、ネット通販に対抗する意味でも、実店舗はセール開始日を感謝祭当日に前倒ししたのです。さらに、年末商戦までの買い控え回避のために、感謝祭前にさらに前倒しした企業まであります。日本同様、ネット通販を含めた競争激化のために、クリスマス商戦は前倒しされているのです。

 

2について、実際に支出する消費者の懐事情も、さほどよくありません。リーマンショック以降に高まった節約志向が、いまだ根強いのです。その要因は、緩慢な経済成長と不安定な雇用環境にあります。今後、賃金が上昇する期待は持てず、失業する危険性も高いために、財布の紐をなかなか緩められない。これが、消費者の一般認識なのです。

 

この傾向が強いのは、より雇用が不安定な低所得者層ですが、中間層にも波及している可能性があります。というのも、高級品を扱い小売企業でも、節約志向による売上鈍化を懸念する企業があるからです。例えば、高級百貨店のサックス(Saks)や老舗百貨店のロード&テイラー(Lord & Taylor)を傘下に持つハドソンズ・ベイ社(Hudson’s Bay Co.)は、「買物客の値引きへの感度は非常に高い」とコメントしています。

 

しかし、経済指標を見れば、決して経済状況が悪いと言えないのが現状のアメリカ経済なのです。例えば、ガソリン価格は下落しており、自動車社会のアメリカの生活コストは下落しています。これは、消費者のガソリン代を除く可処分所得の増加を意味し、購買力引き上げる効果があるのです。さらに、株価や住宅価格も上昇しており、資産効果によりこちらも購買力を高める効果があります。それでも、経済成長が緩慢で雇用環境がさほど良くならないのは、それだけ経済環境が良くない証拠と言えるのです。

 

このように、消費者の節約志向が根強いと、クリスマス商戦では次のようなことが起こります。

 

【クリスマス商戦での消費傾向】

[金額]プレゼント予算の抑制

[数量]プレゼント数量の抑制

→客単価の下落

 

全体の予算を抑制するために、プレゼント数量を減らす傾向があるようです。例えば、自分用のご褒美ギフトを買う人は減少するだけでなく、ご褒美に使う予算を減らす人も増えています。また、ゲームソフト小売のゲームストップ社(GameStop Corp.)では、買物客のゲームソフトやデジタル端末を、新品と交換するプログラムを始めたのですが、このプログラムが人気を博しています。それだけ、支出を抑えたいと考える消費者が増えている、ということになります。

 

この結果、客数は増えても、客単価は伸びないことになります。これこそが、感謝祭の週末売上が前年割れに終わった要因ではないでしょうか。感謝祭当日への売上前倒しの影響も無視できませんが、客単価の下落は今後も続く可能性が高いので、今後も含めてその重要性はより高いと言えます。

 

結局今回のクリスマス商戦では、値引き競争を余儀なくされ、大幅値引き商品ばかりが売れるようになり、その結果、売上は伸びても利益は残らずになり兼ねません。クリスマス商戦を見る限り、アメリカ経済(特に個人消費)はさほどいいとは言えないのです。

 

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《今回のヒントのまとめ》

1) 今年の感謝祭の週末小売売上は、7年ぶりに前年割れ。この要因は、感謝祭当日へのセール前倒しである。

2) しかし、前倒しに至った原因を調べると、そう楽観視できない。拡大するネット通販を含めた競争激化が、前倒しを余儀なくさせた。

3) さらに、緩慢な経済成長や不安定な雇用環境により、消費者の節約志向は依然根強くなり、激しい値引き競争と前倒し開始を促した。

4) その結果起こったのが、客単価の下落。客数は伸びているが、客単価が下落したために、週末の売上金額は前年割れに終わった。

5) 客単価の下落は今後も継続する確率は高いので、年末までのセール全体の売上は伸びても、利益はさほど残らない結果に終わり兼ねない。それだけ、アメリカの個人消費はか弱いと言えるだろう。

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写真をお見せできないのが残念なほど。

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読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

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ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

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編集後記

一方日本では、単価の高い商品が売れており、百貨店売上の好調さに表れています。

しかし、これもどこまで続くかはかなり疑問。

その第一関門は、賃金のベースアップと消費増税になるでしょうか。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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