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【727号】著作権関連の新音楽ビジネスが生まれた背景とは?

 ギターの弦

by courtesy of Doug Wheller

 

◎本日のニュース

1)見出し 
Reaping Profits From Soundtracks

 

 

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2)要約

動画コンテンツの激増により、BGMを販売する新サービスが生まれた。このサービスは、BGMを月額固定料金で販売し、著作権に関連する面倒な手間を省いてくれる。

 

購入するのは、テレビやその他動画制作者。動画コンテンツの制作が増える一方で、予算は減少傾向なので、このサービスを利用してコストを削減できる。一方の、楽曲制作者は、完全な所有権を譲渡する代わりに、前金を受け取ることができる。CDなどパッケージ売上の減少に直面する音楽業界にとっては、新しい収益源となりうる。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

With video content proliferating, new models for supplying background music are taking root, with many trying to bring down the cost and avoid the complicated royalty-payment rules.

 

4)キーとなる英文の和訳

動画コンテンツが激増することにより、BGMの新しい供給モデルが根付こうとしている。

この背景には、多くの人がコスト削減と複雑な著作権支払ルールの回避を求めていることがある。

 

5)気になる単語・表現

proliferate

自動詞

激増する

take root

自動詞

(考え・聖堂などが)根付く;定着する

bring down

他動詞句

(値段・費用)を下げる;(飛行機)を着陸させる

complicated

形容詞

複雑な

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

著作権関連のBGMサービスを提供するのは、エピデミック・サウンド(Epidemic Sound)。このサービスをまとめると、次のようになります。

 

【エピデミック・サウンドが提供する新BGMサービス】

[商品]著作権関連の手続きが不要のBGMを月間無制限で利用できる権利

[価格]月額固定料金

[その他]特に予算の小さな制作者向けに1秒1.35ドルから販売するサービスもある。楽曲提供者に対しては、完全な所有権と交換で前金で支払う。

 

エピデミック・サウンドはストックホルムの会社ですが、アメリカの会社も同様のサービスを提供しているようです。

 

【エピデミック・サウンドと同様のサービス】

[ソースオーディオ社(SourceAudio LLC)]月額固定料金で、既存音楽のパッケージを企業に提供

[スコアアズコア社(ScoreAscore LLC)]予算を提示した動画制作者と作曲家のマッチングサービス

[ブリーディング・フィンガーズ・カスタム・ミュージック・ショップ(Bleeding Fingers Custom Music Shop)]ソニー系。小予算の動画制作者に楽曲を提供

 

 

このような、BGM販売の新サービスが生まれた背景には、動画コンテンツの急増があります。これは、ネット、特にソーシャルメディアの普及が大きく関係しているようです。つまり、ツイッターやフェースブックの利用者が増えることにより、ソーシャルメディアを流れる動画広告も増えるわけです。実際、音楽業界の著作権収入は大きく拡大しています。

 

【著作権収入の増加】

2010年 3億1000万ドル→2012年 3億3700万ドル

※対象はグローバル(全世界)

 

動画コンテンツが増加することにより、動画に流れるBGMの需要も拡大するのです。だから、エピデミック・サウンドなどの新興企業が、BGM販売サービスを始めたのです。

 

【BGM販売の新サービスが生まれた理由】

[需要の拡大]BGMを必要とする動画コンテンツが急増したから

 

また、動画制作者・楽曲制作者にとっても、従来のBGM購入・販売に不満があったので、新サービスが受け入れられることになります。

 

【BGM販売の新サービスが生まれた理由】

[動画制作者の課題1]著作権関連の手続きが不要だから

[動画制作者の課題2]一作品あたりの予算が低下傾向であり、コスト削減する必要があったから

[楽曲制作者の課題1]CDなどパッケージ販売が減少し、新たな収益源が必要だから

[楽曲制作者の課題2]前金支払により収入が安定するから

 

動画制作者にとって一番の問題は、著作権関連の手続きが面倒なこと。書類提出など人手が必要な作業であり、この作業によりコストが嵩張ることにもなりました。また、動画コンテンツの制作依頼が増える一方で、予算はそれに比例して増えないばかりか、減らされるばかり。コスト削減も大きな課題だったのです。著作権手続き不要で月額固定料金のBGM販売サービスを活用すれば、これら二つの課題は解決されます。

 

一方楽曲制作者は、CDなどの売上減少が止まらない中、新たな収益源を探す必要に迫られています。さらに、広告主の依頼のもと広告に使う楽曲を作っても、その収入は楽曲売上の30%しかならず、しかも、新曲を使う広告が減っているという現状があります。この結果、広告挿入楽曲の売上も減少傾向にあるのです。

 

また、利用時にその都度支払われていた従来の方式では、収入は将来まで確定せず、安定しないという課題がありました。新サービスを使えば、所有権は放棄するものの、前金で収入を確保できるので、安定収入を獲得できることになります。

 

このように、エピデミック・サウンドの新サービスは、著作権にまつわる不満を含めた、長年続く音楽業界の商慣習への不満を起点に生まれた、と考えることができます。これに、コスト削減効果が加わることにより、支持は大きく広がり、ユーザーの拡大につながっているのです。実際、スウェーデンのテレビで放映される楽曲の約7割、スカンジナビア地方ではほぼ半分を、エピデミック・サウンドが提供しているようです。

 

Epidemic Sound

SourceAudio

ScoreAscore

Bleeding Fingers Custom Music Shop

 

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《今回のヒントのまとめ》

1) エピデミック・サウンドのBGM販売の新サービスでは、著作権手続きが不要の楽曲を月額固定料金で使うことができる。

2) このようなサービスが生まれたのは、BGMを必要とする動画コンテンツが急増しているからである。

3) また、動画制作者・楽曲製作者の課題を解決することで、利用者が拡大している。

4) 動画制作者の課題とは、著作権手続きという面倒な作業とコスト削減であり、楽曲制作者の課題は、新たな収益源の獲得と収入の安定化である。

5) エピデミック・サウンドのように、長年続く商慣習の課題を解決し、さらにコスト削減効果を提供できれば、大きな支持を得られることがわかる。

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WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

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読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

喉の痛み、治りました。

朝起きた時のあの痛み、本当に辛かったです。

これは痛くなってからでないと、なかなか実感できないもの。

健康第一ですね。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

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