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【738号】米マクドナルド業績低迷の原因はメニューにあった

ドイツ?のマクドナルド

by courtesy of Gerard Stolk

 

◎本日のニュース

1)見出し 
McDonald’s Says Its Restaurants Got Too Complicated

 

 

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2)要約

マクドナルドの第四四半期の業績は、アメリカ・アジア太平洋中東アフリカの既存店が振るわず、期待外れに終わった。特に、最大の市場であるアメリカの12月売上が、予想より3.8%減になった影響は大きい。

 

2013年通期では増収増益を達成したが、それもごくわずか。経営陣は、業績低迷の要因をメニューにあるとし、複雑化したメニューと割高な価格の改定により、業績回復を目指す。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

McDonald’s Corp. Chief Executive Don Thompson said that the fast-food chain has lost relevance with some customers and needs to improve its menu offerings and provide better value.

 

4)キーとなる英文の和訳

マクドナルド社のCEOドン・トンプソンは、次のように語った。

ファストフードチェーンのマクドナルドは、一部顧客離れを引き起こしている。

そこで、メニュー内容を改定し、より割安な商品の提供が必要である。

 

5)気になる単語・表現

relevance

名詞

(社会的)適合性;(当面の問題との)関連(性)

offering

名詞

提供されるもの;売り物

value

名詞

価格、(金銭的)価値

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

マクドナルド社の2013年度通期業績は、増収増益なのでさほど悪くありません。ただし、2011年までの8年間の業績が相当良かったので、その比較では低迷という表現が当たります。ちなみに、2012年からCEOが代わり、現CEOのドン・トンプソンが指揮を取っています。

 

直近四半期の第四四半期(Q4)の業績は、低迷というよりも悪いと言えるでしょう。グローバルで既存店売上が0.1%の減少。特に悪いのが、最大の市場であるアメリカとアジア太平洋中東アフリカ。

 

【2013年Q4地区別既存店売上】

[アメリカ]1.4%減

[ヨーロッパ]1%増

[アジア太平洋中央アフリカ]2.4%減

 

特に、アメリカでは、12月の売上が相当悪く、予算比で3.8%の未達。そこで、アメリカ市場のテコ入れが行われることになるのです。

 

アメリカで既存店売上が振るわない要因は、そのメニューにあります。まとめると、次のようになります。

 

【アメリカ市場低迷の要因】

[1]    メニューを増やし過ぎたから→提供スピードの低下

[2]    メニュー価格が高すぎたから→割安感の低下

 

1は、客数を増やすためにメニューのバリエーションを増やした結果、キッチンは混乱。その結果、ファストフードの強みである提供スピードの速さが削がれることになりました。これでは、顧客離れが起きても不思議ではありません。

 

2は、メニューの価格設定を高くし過ぎた結果、マクドナルドに割安感を求める顧客からソッポを向かれることに。そのまま顧客離れにつながります。例えば、新メニューのチキンウィングは、競合他社よりもかなり高い価格に設定されたため、1000万ポンドという大量の原材料が売れ残りました。

 

そこでメニュー数とメニュー価格の改定を行うことにより、業績回復を目指すことになります。

 

【米マクドナルドの業績回復策】

[1]    メニューの削減・キッチンスペースやスタッフの増強→提供スピード向上

[2]    割安メニューの提供→既存顧客維持・顧客奪還

 

ただし、これで業績が回復する補償はありません。というのも、提供スピード向上のために、キッチンスペースやスタッフを増強すれば、コスト増を招くからです。さらに、割高なメニューを削除し、割安メニューを導入すれば、客単価の下落を避けられません。これまで、客数の減少を客単価の引き上げで補ってきただけに、客数が大幅に増えない限り、既存店売上の回復は難しいのです。

 

この記事やマクドナルド社のIR資料を見ると、”relevent”や”relevance”という単語がよく出てきます。この単語の示す意味は、「関連」「適応」「実際的な価値を持つこと」であり、マクドナルドが、顧客が求める価値の回復を目指していることがわかります。逆に言えば、これまで価値を提供できなかったために、顧客離れを引き起こし、客数が減少してきたのです。

 

顧客が期待するマクドナルドの価値とは、「提供スピードの速さ」と「割安感」。ただし、双方を最大化しようとすると、収益の悪化を招くので、事業の継続性が怪しくなります。そこで必要となるのが、二つ価値を最大化しつつ、いかに収益性を伸ばすかということ。そう考えれば、メニュー削減と割安メニュー導入というのは、二つの価値の提供という基本に戻るだけに過ぎません。客数を回復した後、いかに客単価を維持・向上させるのか。ここがマクドナルドの業績回復の成否を決めると言えるでしょうか。

 

McDonald’s Report Fourth Quarter And Full Year 2013 Result

 

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《今回のヒントのまとめ》

(1) マクドナルドが最大の市場であるアメリカで低迷しているのは、メニューに問題があるからである。

(2) メニュー数を増やしすぎたために、提供スピードが遅くなり、メニュー価格を高く設定しすぎたために、割安感が小さくなり、顧客離れにつながった。

(3) そこで、メニュー削減とキッチンスペース・スタッフの増強による提供スピードのアップと、割安メニューの導入による割安感のアップを目指すとされる。

(4) 顧客が求めるマクドナルドの価値は、「提供スピードの速さ」と「割安感」であるが、双方を最大化しようとすると、収益性が大きく落ちる。

(5) 今後問われるのは、二つの価値を最大化しつつ、いかに収益性を高めるかであろう。

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7)おすすめ商品・サービス 

◎最近見つけたいいもの

これまではケシポンを使っていたのですが、インクがすぐに無くなるなど、面倒なので、ついにシュレッダーを購入しました。

いろいろ悩みましたが、選んだのはこちら。

大きさ・消音性・使いやすさ、そして価格で、一番バランスがいいと判断したからです。

そして、実際に使ってみると、少し音は大きいものの、そこそこのスピードで紙を吸い込んでいき、たまった個人情報付き紙を処分できました。

大丈夫とは思いますが、夜間の利用はやめておこうと思います。

ちなみに、コクヨの商品も検討しましたが、シュレッダー後の紙片が大きいので却下。

アイリスオーヤマ ペーパーシュレッダー グレー P5HMI

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

そういえば、昨年11月に貰ったマクドナルドの無料券、まだ使っていませんでした。

セットならなんでも交換できるようなので、今やっているアメリカンビンテージと交換してもらうのが、一番お得かなぁ。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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