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【1125号】H&Mに本当に必要なものはネット通販強化ではない!?

H&M

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

H&M’s Old Formula Needs a New Look

 

【出典】

www.wsj.com/articles/h-ms-old-formula-needs-a-new-look-1506602899

 

 

(サイトへの掲載は、翌日以降です。)

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2)要約

ITへの投資を試みるファストファッション大手・H&Mだが、本当に必要なのは商品の魅力を高めることである。しかし、実際には成長力を高めるために出店を過激に進めるものの、売行不振により在庫処分に苦慮している。

 

一方で、アパレル販売のネットシフトは進む。専門通販のエイソス・ザランドのみならず、アマゾンまでもがアパレル販売に真剣に取り組んでいる。H&Mは、最近になって初めてネット通販シフトの影響を認識し、収益悪化の解決策としてITに期待を寄せている。

 

3)キーとなる英文

H&M needs more than a better online platform; it needs a radical restyling.

 

4)キーとなる英文の和訳

H&Mに必要なのは、より優れたオンラインプラットフォーム以上のものである

それは、根本的なモデルチェンジである。

 

5)気になる単語・表現

radical 形容詞 根本的な;過激な
chunky 形容詞 大きい
digitize 他動詞 ~を数字で表す
jeopardize 他動詞 ~を危険にさらす
reinject 他動詞 ~を再注入する
glamour 名詞 うっとりする魅力
state-of- the- art 形容詞句 最新技術の
dominate 他動詞 ~を支配する

 

(特に覚えておきたい単語)

【jeopardize】

(英英)

risk harming or destroying something or somebody

(類義語)

endanger, risk, venture, imperil, hazard

6)ビジネスのヒント

日本の店舗を見ると、いつも人でごった返しているファストファッション大手のH&M。しかし、グローバルの収益では苦戦しているようです。

 

【H&Mの収益データ】

  1. 既存店売上:マイナス5%
  2. 全体売上(為替影響除く):プラス4%
  3. 営業利益率:6%(昨年同四半期12.8%)

※6~7月の直近四半期

 

既存店売上がマイナスなのに、全体売上がプラスなのは、店舗数が増えているからです。逆に言えば、既存店の競争力が弱くなっているからこそ、出店することで収益増を目指しているとも言えるでしょうか。

 

店舗数が増えれば、固定費もそれに比例して増加します。しかし、売上・利益が店舗増に比例しないからこそ、3のように営業利益率が約3ポイントも下がるのです。

 

この収益悪化への対応策として、H&MはIT投資増を採用しています。

 

【H&MがITによる収益V字回復を目指す理由】

  1. アパレル販売市場がネット通販に大きくシフトしているから→目的は売上増
  2. 予測精度を高められるから→目的はコスト削減

 

1について、何でもそうですが小売のネット通販シフトが急激に進んでいます。アパレル販売もその1つ。専門通販サイトのエイソス・ザランドだけではなく、アマゾン・ドット・コム社までもが、アパレル販売に力を注ぐほど。H&Mは当初、試着の必要なアパレル販売でネット通販にあまり注目していませんでした。しかし、実際にはネット通販利用者が増加する一方で、実店舗の客数が減少。やっと、ネット通販に力を注ぐようになったのです。

 

1が売上増の施策ならば、2はコストダウン。ITを使って予測精度を高めることで、過剰在庫の処分セールを回避でき、利益率を向上できます。1が顧客に見えるIT活用とすれば、こちらはバックヤードでの利用。

 

しかし、H&Mに本当に必要なのはIT活用ではないようです。単純に、商品をより魅力的にさせることが今一番重要なようです。

 

【H&Mが本当に取るべき収益改善策】

商品力の向上

 

つまり、通販サイトに顧客が奪われているのではなく、単に商品に魅力がないからこそ、顧客がH&Mから離れているというわけです。H&Mのブランド力(認知度?)や大きな現金資産を活用すれば、商品力向上は充分可能なようです。

 

【注目点】

  1. 何でもネット通販のせいにするな。本当の課題はもっと単純である。
  2. 結局、商品力こそ集客を左右する。

 

1について、ネット通販シフトが進んでいるのは事実しても、収益悪化の要因としてそれが一番大きいというわけではありません。H&Mのように、商品力という最も単純かつ重要な要因もあるのです。

 

2について、売上が伸びていないというのは、単に商品に魅力がないから。競合店と比較して、相対的に商品力が低下しているからです。売上が減少すれば、新商品の投入やリニューアルを考える時なのです。

 

H&Mの売場を見れば、商品の種類が多く彩りも豊富で、どちらかというと派手な印象です。ただし、実際に商品を手に取って見ると、価格相応のディテールという感想を持ってしまいます。その結果、入店するものの購入せずに、結局店を後にしてしまう。私のような消費者が多いとすれば、一見はやっているように見えても、実際にはさほど売れていないという状況が生まれ、実際の収益データと合致してしまいます。

 

小売ビジネスを見る場合は、購入確率も重要な視点です。

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《今回のヒントのまとめ》

  • 既存店売上の減少するH&Mは、IT活用による売上増・コスト削減を目指す。
  • 具体的には、通販サイトの拡充と予測精度の向上である。
  • しかし、H&Mに本当に必要なのは、商品力の向上。商品に魅力がないからこそ、客数が減少している。
  • 売上減少の要因は、ネット通販シフトだけではなく、単に商品力が相対的に低下していることもある。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

泉佐野市のふるさと納税は、本当に挑戦的です。

今度は麦とホップ2ケースを、1万円コースに追加。

まだ自宅のビール在庫はあるものの、ついついポチッとしてしまいそうです。

 

編集後記

今週は毎日のように午前零時頃の帰宅。

ちょっと限界に近い。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

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