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【1133号】アマゾンの調剤薬市場参入が前途多難な理由とは?

Amazon.com

 

◎本日のニュース

1)見出し

Amazon’s Push Into Pharmacy Business Is Full of Promise and Pitfalls

 

毎週火曜・土曜の18時、メルマガにて配信。

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2)要約

アマゾン・ドット・コム社の調剤薬市場参入により、調剤薬の入手方法が変わるかもしれないが、一方でそう簡単には成功しないだろう。というのも、規制業種であり、購入者と支払い者が異なるからである。

 

4220億ドルもの巨大な調剤薬市場のほとんどは、薬局で調剤される。しかも、処方のオンライン化・サプライチェーンの短縮も進んでおり、アマゾンはここにビジネスチャンスを見出した。

 

3)キーとなる英文

 

A move by Amazon.com Inc. AMZN -0.50% into the $412 billion pharmacy business would shake up how generations have gotten their medicines, but success could prove elusive even for the ever-expanding e-retailer.

 

4)キーとなる英文の和訳

アマゾン・ドット・コム社による4120億ドルもの調剤薬市場への参入により、薬の入手方法は激変するかもしれない。

しかし、いまだ拡大しているネット通販企業でも成功は難しいだろう。

 

5)気になる単語・表現

elusive 形容詞 達成困難な;説明しにくい;(巧みに)逃げる
pescription 名詞 処方薬
dispense 他動詞 ~を調合する
discontinuity 名詞 切れ目
fill 他動詞 (処方箋に)従って薬を調剤する
straightforward 形容詞 簡単な

 

(特に覚えておきたい単語)

【prescription】

  • 処方箋;処方薬(for)
  • 助言、提言;計画(for)
  • 規定;命令、指令
  • 時効

(コメント)

処方箋の意味もあるし、処方薬の意味もある。

 

6)ビジネスのヒント

このメルマガで取り上げることの多いアマゾン・ドット・コム社ですが、ついに処方薬市場に参入するようです。その理由は、市場規模が大きいからでしょう。

 

【全米処方薬市場】

金額:4120億ドル

処方箋の枚数:450億枚

 

ただし、市場が大きいからと言っても、強者がいれば、たとえアマゾンでも勝算が高いとは言えません。勝算があるからこそ、参入を目指すのです。

 

【全米処方薬市場に起こる変化】

1)薬品のサプライチェーンの統合が進んでいること

2)オンライン調剤が進んでいること

 

勝算は、外部環境の変化にあります。つまり、アメリカの処方薬市場では、サプライチェーンの統合が進んでいるのです。もう少しわかりやすく説明すると、薬品メーカー・調剤する薬局・小売店の集約が進んでいるのです。この変化は、参入の大きなチャンスです。

さらに、アメリカでは病院の発行する処方箋が、オンラインで薬局に送られるようです。恐らく、病院で調剤してもらう薬局を患者が選ぶのでしょう。オンラインと言えば、アマゾンの得意分野。アマゾンがこの強みを活かさない手はありません。

 

このようなうアマゾンにとって”おいしい”調剤薬市場ですが、参入しても書籍などのネット通販のように成功しないと見られています。

 

【アマゾンが調剤薬市場で成功しにくい理由】

  • 薬品販売にはライセンスが必要だから
  • 購入者と支払い者が異なるから
  • 購入者に商品選択の余地が小さいから
  • ネットの利便性が武器にならないから

 

1について、すでに規制の壁をアマゾンは実感しています。というのも、アマゾンビジネスというBtoB事業で、医療要因を医院や研究室に販売しているのですが、一部の州でライセンスを要求されています。価格破壊のイメージの強いアマゾンに、処方薬のライセンスはなかなか下りないでしょう。

 

2・3が一番の要因。調剤薬は、購入者と支払い者が異なります。正確には、患者が購入しますが、支払うのは薬品代の一部。大部分は契約する保険会社が支払います。よって、低価格は、購入者にとってあまりメリットはありません。3の商品選択も同じ。後発薬かどうかの選択はできるでしょうが、どの薬を選ぶかは医者であり保険会社。品揃え豊かでも、購入者にとってあまりメリットはありません。アマゾンがこれまで武器としてきた「低価格」「豊富な品揃え」は、販売増にあまり寄与しないのです。

 

さらに、4について、ワンクリックで購入が完了することは難しく、最終判断は保険会社の了承がいるようです。これでは、利便性というアマゾンの強みは活かせません。

 

このように、調剤薬市場では、アマゾンのこれまでの強みが活かせないからこそ、成功がおぼつかないとされています。

 

【注目点】

  • 購入者と支払い者が異なるビジネスは、ビジネスモデルが異なる。
  • 規制業種は参入さえできれば、安定ビジネスになる。

 

1について、アマゾンが一番実感しているでしょう。これまでの成功の方程式(≒ビジネスモデル)を適用できないのですから。仮に成功しても、規模が大きく、知名度の高いアマゾンだからであり、中小企業はあまり真似しない方がいいかもしれません。

 

2について、アマゾンが狙っているのは、この安定性かもしれません。ネット通販という、競争が激しい不安定なビジネスの一方で、安定事業を獲得したい。だから、あえて規制業種の調剤薬市場に参入するとも考えられます。

 

このようなハードルの存在により、アマゾンは調剤薬の既存プレイヤーとの提携・買収により、参入を目指すのかもしれません。そして、そのシステムを、既存の通販サイトに連結することで、ついで買い・顧客増が期待できるようになります。他社との提携・買収の方が、成功確率が高く、より安定しているとも言えますね。革命は起こりませんが…

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. アマゾンが全米調剤薬市場に参入するのは、市場が大きいからだけではなく、参入のチャンスが到来したからである。サプライチェーンの統合とオンライン化が進んでいる。
  2. ただし、ネット通販事業のように成功するのは難しいとされる。一つ目の理由は、規制業種だからである。
  3. 二つ目は、購入者と支払い者が異なるからである。低価格が武器とならない。
  4. また、三つ目は、購入者に商品選択の余地が小さいからである。アマゾンの強みである品揃えの豊富さが活かせない。
  5. さらに、最終的に保険会社の了承が必要なため、ネットの利便性が活かせないという四つ目の理由もある。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

泉佐野市のふるさと納税は、本当に挑戦的です。

今度は麦とホップ2ケースを、1万円コースに追加。

まだ自宅のビール在庫はあるものの、ついついポチッとしてしまいそうです。

 

 

編集後記

スマホを購入したことは以前伝えましたが、グーグルの音声検索は本当に進化しましたね。

検索だけではなく、タイマー設定などできるのですね。

グーグルホームが、スマホには標準装備されているようです。

この変化、活かしたい。

 

 

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