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【876号】H&Mが世界最大規模の店舗を立て続けに開く理由

hennes & Mauritz

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
H&M Tops Itself With New Giant Store

 

 

 

 

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2)要約

ファストファッションのヘネス・アンド・マウリッツ社(H&M)は、過去3年間で3回世界最大店舗をオープンさせている。相次ぐ大型店の出店は、ネット通販市場の拡大と関係する。

 

より幅広い品揃えと壮大な売場には、ショッピングを楽しくさせる効果がある。これにより、ネット通販の利便性に慣れた消費者の来店を促すことができる。

 

ただし、巨大な店舗と壮大な売場には大きなコストが掛かるので、ペイしているかどうかは疑問である。また、繁華街に複数の大型店を出店することにより、カニバリに恐れもある。さらに、巨大店舗に十分な品揃えがないと、売場効率が低下する。

 

3)キーとなる英文

Fast-fashion retailer Hennes & Maurtiz AB is opening its largest store in the world—for the third time in three years.

 

4)キーとなる英文の和訳

ファストファッション小売企業のヘネス・アンド・マウリッツ社は、世界最大規模の店舗をオープンさせようとしている。

これは、最近3年間で三度目となる。

 

5)気になる単語・表現

carverous 形容詞 (大きく、暗い)洞穴のような
out of step with 形容詞句 ~と調和しないで
spectacle 名詞 壮観;見もの
enormity 名詞 (仕事・問題・責任などの)膨大なこと;巨大なこと
façade 名詞 正面
clad 形容詞 着た(clotheの過去分詞)
atrium 名詞 中央大広間;中庭
level 名詞 階;高さ
outfit 名詞 衣装一式
weigh on 自動詞句 ~を圧迫する;~の重荷となる
playground 名詞 行楽地;遊び場
ware 名詞 売り物;~用品;(通例陶器の)~焼き
compel A to V 他動詞句 ~に無理やり~させる
compelling 形容詞 強制的な;(演奏などが)人を惹きつける
proposition 名詞 提案;計画;説

 

(今回ピックアップ英単語)

【compel】

(英英)to force somebody to do something; to make something necessary; (

Not used in the progressive tenses) to cause a particular reaction

※progressive 「進行形の」

(類義語)「強制する」force「強要する」force, coerce, push, enforce

(ビジネス英語)

compel a contract 「契約の履行を強制する」

discharge a contract 「契約を履行する」

draft contract 「契約案」

draw up an contract 「契約書案を作る」

enter into a contract 「契約を締結する」

(説明)「強制」というニュアンスが入ります。

 

6)ビジネスのヒント

H&Mが今度オープンさせる世界最大規模の店舗は、ニューヨーク市のヘラルド・スクエアに立地します。百貨店メーシーズの旗艦店の真向かいで、大きさは63000平方フィート(約5850平方メートル)。実は、5番街にも57000平方フィートの大型店があり、7ヶ月前は世界最大店舗でした。5番街の店舗は、2012年に世界最大店としてオープンしたタイムズスクエアの店舗よりも2万平方フィート以上大きくなっています。2012年以来、3年連続で世界最大規模の店舗を開店させているのです。

 

このようなことをする理由は、ネット通販市場の拡大と大きく関係します。ネット通販の利便性に慣れた消費者を実店舗に足を運んでもらうためには、魅力的な店舗が必要なのです。そのための、巨大店舗なのです。ヘラルド・スクエア店には、次のような集客要素があります。

 

【H&Mヘラルド・スクエア店の集客要素】

  1. LCDスクリーンの掲げられた高さ35フィートのガラスの正面→H&Mの商品を身に付けたモデルをモニターに映し出す
  2. 2階の高さ30フィートの中庭→広さを強調

 

要は、巨大で壮観な売場と幅広い品揃えで、実店舗でのショッピングを楽しくさせているのです。このやり方は、H&M独自のものではなく、小売業界全体のトレンドでもあります。

 

【実店舗をより楽しい場所にさせる小売業の事例】

  1. レストレーション・ハードウェア(家具の小売)→商品のショールームとして大型店を展開
  2. ユニクロ→芸術家の作品を描いたTシャツを美術品のように展示
  3. ルルレモン(ヨガ用アパレル商品の小売)→無料のヨガ教室を店内で実施

 

つまり、単にモノを売るのではなく、エンターテイメントとしてのコトを提供することで来店を促し、物販につなげようとしているのです。

 

ただし、これらコトへの投資がペイしているかは、疑問。特に、H&Mは、家賃の高いニューヨーク繁華街に立て続けに世界最大規模の店舗を出店しており、大きなコストが掛かっています。ちなみにH&Mは、既存店売上高や全店舗面積を公表していないので、巨大店舗出店の収益への寄与を測定できません。また、巨大店舗を繁華街に集中させることで、カニバリの恐れも否定できません。アパレル品から雑貨・美容品まで幅広いカテゴリーを持つH&Mには該当しませんが、巨大店舗を埋めるに十分な品揃えがなければ、販売効率を押し下げることにもなります。(フォーエバー21)

 

これらのリスクを負ってでも巨大店舗を立て続けに出店するのは、ネット通販への顧客の流出がそれだけ激しいのかもしれません。単にモノを並べるだけでは、来店さえも難しいのかもしれません。

 

ネット通販対策だと考えれば、ユニクロが動くマネキンを大型店に導入するのも、納得がいきます。

 

Restoration Hardware

Uniqlo(US)

Lululemon

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《今回のヒントのまとめ》

  1. H&Mは、ニューヨークの繁華街に3年間で三回も世界最大規模の店舗を出店する。相次ぐ巨大店舗の開発には、拡大するネット通販市場が関係する。
  2. 実店舗の買い物をより楽しいものにしないと、利便性の高いネット通販に慣れた消費者の来店を促せられないからです。幅広い品揃えと巨大で壮観な売場には、実店舗での買い物をエンターテイメントにさせる効果がある。
  3. これは、小売業全体のトレンドである。裏を返せば、店舗を行楽地のように楽しい場所にさせないと、拡大するネット通販に顧客が流出することでもある。
  4. ただし、繁華街に巨大な店舗を出店するのには莫大なコストが掛かるので、ペイしているかどうは疑問である。また、カニバリや大きな売場を埋める品揃えの問題も生じる。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

芋焼酎の海童を初めて買いました。

比較的価格はお手頃なのですが、芋の旨みは十分感じられます。

強いて言えば、芋の香りがたまらない小鶴くろには負けますが。

水割りでほぼ毎晩楽しんでいます。

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

ユニクロの巨大店舗でいつも感じるのは、外国人観光客が多いということ。

柳井さんは、インバウンドの拡大を予想して、巨大店舗の出店を加速させたのかもしれません。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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